ブリンケン米国務長官、ドイツで中国の王毅外相と会談
(米国、中国、ドイツ)
ニューヨーク発
2024年02月19日
米国のアントニー・ブリンケン国務長官は2月16日、ミュンヘン安全保障会議に参加するため訪問中のドイツで、中国外交トップの王毅・共産党中央政治局委員兼外交部長(外相)と会談を行った。
国務省の発表によると、ブリンケン長官と王外相は2国間、地域間、グローバルな問題について率直かつ建設的な議論を行った。また、両者は今後数カ月間に予定されている主要分野の協議やハイレベル会合を含め、さまざまな戦略的問題で米中間のオープンなコミュニケーションラインを維持することの重要性を認識した。
ブリンケン長官は王外相に対し、2023年11月のジョー・バイデン米大統領と中国の習近平国家主席の米中首脳会談(2023年11月16日記事、2023年11月17日記事参照)で合意した麻薬対策の協力や軍事対話の再開を継続することの重要性を強調した。そのほか、米国や同盟国、パートナー国の利益と価値観のために立ち上がることをあらためて強調したとしている。
地域情勢に関しては、ブリンケン長官は台湾海峡と南シナ海の平和と安定を維持することの重要性を強調したほか、中国がロシアの防衛産業への支援を含むウクライナ侵攻の支援を行っていることに懸念を表明した。両者はまた、中東情勢と朝鮮半島情勢についても意見交換を行い、これらの議論をフォローアップするため、それぞれの高官が会談することを確認したとしている。
米中関係は、2023年2月に中国の気球が米国領空に侵入して撃墜されたことによって一時、緊張が高まっていたが、同月に行われた前回のミュンヘン安全保障会議でブリンケン国務長官と王外相が非公式に会合を行ったほか、ブリンケン長官、ジーナ・レモンド商務長官、ジャネット・イエレン財務長官らの訪中、王外相の訪米など、閣僚級の会談などを通じて、緊張緩和が進められた。11月には約1年ぶりに米国サンフランシスコ近郊で首脳会談が行われた。2024年に入ってからは、ジェイク・サリバン大統領補佐官(安全保障)も王外相と会談している(注)。
(注)ジェトロは、米国の対中政策や措置、米国側から見た米中関係の動向について解説する月例レポートを作成している。
(葛西泰介)
(米国、中国、ドイツ)
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