米USTR、メキシコの日系自動車部品工場での労働問題解決を発表

(米国、メキシコ、日本)

ニューヨーク発

2024年02月14日

米国通商代表部(USTR)は2月13日、メキシコ政府に事実確認を要請していた日系自動車部品メーカーのフジクラ・オートモーティブ・メキシコのコアウイラ州工場での労働問題が解決したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

今回の件は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が定める「事業所特定の迅速な労働問題対応メカニズム(RRM)」に基づき、問題解決が図られていた。米国政府は2023年12月、フジクラ・オートモーティブ・メキシコが労働者の採用に当たって、応募者が以前に勤務していたマニュファクチュラVUで組合活動をしていた場合に採用を拒否しているとのメキシコ国内の労働組合、労働者国境委員会(Comite Fronterizo de Obreros)の申し立てを受けて、メキシコ政府に事実確認を要請していた(2023年12月18日記事参照)。USTRの発表によると、その後、メキシコ政府とフジクラ・オートモーティブ・メキシコの間で問題解決に向けて次の対応が講じられた。

  • フジクラ・オートモーティブ・メキシコは、結社の自由を保障するとの中立的声明と関連ガイドラインを同工場で掲載・周知する。
  • フジクラ・オートモーティブ・メキシコの代表者は、声明とガイドラインに関する研修を同工場の全従業員に対して実施する。
  • メキシコ政府は、結社の自由と団体交渉権に関する研修を同工場の労働者に実施する。
  • メキシコ政府は、結社の自由と団体交渉権に関する研修をフジクラ・オートモーティブ・メキシコのメキシコ国内の全事業所の人事担当者に実施する。
  • メキシコ政府は、結社の自由と団体交渉権に関する研修をフジクラ・オートモーティブ・メキシコのコアウイラ州の事業所の労働組合代表に実施する。

キャサリン・タイUSTR代表は「RRMを通じて、私たちはUSMCAに掲げられているように、労働者が労働組合を自由に結成し、自ら選択した組合を支持する基本的権利を前進させた。これには、その組合活動を理由に将来の雇用主から差別されないことも含まれる」との声明を出している。また、これらの改善策の履行を受けて、タイ代表は、メキシコ政府への事実確認要請と同時に停止していた当該工場からの輸入に関する関税の精算を再開するよう、財務長官に要請した。

これまでのRRMに基づく措置については、USTR外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますまたは労働省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのウェブサイトを参照。

(葛西泰介)

(米国、メキシコ、日本)

ビジネス短信 25d189e83e42a016