テトのギフト商戦に向け、日本産青果物のメディア向けイベントを開催

(ベトナム)

ホーチミン発

2024年02月05日

⼀般社団法人日本青果物輸出促進協議会と日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO、注1)は117日、ホーチミン市でベトナム輸出支援プラットフォームとの連携の下、テト(旧正月)の消費需要を見据えた日本産青果物の魅力を伝えるメディア向けイベントを開催した。ベトナム国内の38社のメディアが参加し、45の媒体を通じて、今が旬の日本産リンゴと温州ミカンは高級感のある果物で、テトの贈答用ギフトに適している、と報道された。

写真 テト(旧正月)の装飾:青森県産リンゴおよび温州ミカンと日本産果実マーク(JFOODO提供)

テト(旧正月)の装飾:青森県産リンゴおよび温州ミカンと日本産果実マーク(JFOODO提供)

イベントの冒頭、日本青果物輸出促進協議会の菱沼義久会長のビデオメッセージが紹介された。ベトナムではこれからテトのギフト商戦が始まることに触れた上で、「日本産青果物は贈答品や贈り物にも最適なので、ぜひ選んでほしい」と期待を寄せた。

来賓の在ホーチミン日本総領事館の古舘誠幾首席領事は、現在ベトナムが輸入を認めている日本の生果実はナシ、リンゴ、温州ミカンの3品目であることに触れ、「ベトナムにおいて、高品質で安全・安心の日本産青果物に対する需要は高い。訪日観光の際には、他のさまざまな日本の果物も楽しんでいただきたい」と述べた。

本イベントには、フォロワー190万人を有する著名インフルエンサーのほか、日本産青果物を取り扱うクレバーフルーツのグエン・スアン・ハイ社長と、トニーフルーツのレ・ビエット・シ社長(注2)、ホーチミン市の高島屋で青果物販売をするスターキッチンの創業者兼最高経営責任者(Founder/CEO)の荒島由也氏が登壇した。それぞれが日本産青果物の魅力をPRし、荒島氏は「今後は日本産果実マーク(注3)を普及させ、ベトナムの消費者に日本産青果物が一目で分かるようにPRしたい」と意気込みを語った。

また、メディアとの質疑応答では、ジェトロ・ホーチミン事務所の松本暢之所長が、ベトナムは人口が1億人、1人当たりGDPは4,000ドルを超える有望な消費市場と紹介。さらに、日本産青果物の展望について、JFOODOの武田三範海外プロモーション事業課長は「日本産青果物はまだ輸出量も限られ、高価格帯ではあるが、まずは贈答品として大切な人に贈っていただきたい」と述べた。

日本青果物輸出促進協議会とJFOODOは、本イベントの開催とあわせてSNSでの情報発信に取り組んでいる。日本産青果物の特徴や、販売店舗の情報を掲載した日本産青果物のベトナム語版ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを新たに開設するなど、情報発信に注力している。

(注1)JFOODOは、2017年4月に日本政府によって設立された日本産農林水産物・食品のブランド構築のためのプロモーション専門機関。JFOODOでは、プロモーションの実施に先立ち、市場調査の分析などに基づいたマーケティング戦略を策定し、その戦略に基づいて、現地で消費者向けのプロモーションを実施している。

(注2)ベトナムにおける2大輸入青果物取扱店。クレバーフルーツはベトナム全国55店舗で輸入青果物を販売。トニーフルーツは主に日本から輸入し、卸・小売業者へ販売。自社での販売は6店舗で行っている。

(注3)日本青果物輸出促進協議会は2015年に、海外でのPRなどを行う際のロゴとして「日本産果実マーク」の商標権を持つ農林水産省から使用許諾を取得。海外での販促事業などで、海外の消費者が日本産果実と認識できるよう使用を推奨している。

(河西朝子)

(ベトナム)

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