世界最大規模の国際旅行博がマドリードで開催、日本観光に高い関心

(スペイン)

マドリード発

2024年02月26日

世界最大規模の国際旅行博「フィトゥール(Fitur)2024外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が、1月24~28日にスペイン・マドリードのマドリード国際展示場(IFEMA)で開催された。主催者によると、会場は、2023年開催から1ホール追加し9ホール、総面積6万9,000平方メートル超となり、152カ国(うち96カ国が各国の政府観光局による公式出展)、9,000社が出展した。来場者数は、5日間で25万人(うち、業界関係者15万3,000人、一般来場者9万7,000人)を数え、前年比13.7%増となった。

写真 Fiturの様子(Fitur提供)

Fiturの様子(Fitur提供)

日本からは、国際観光振興機構(JNTO)がジャパンパビリオンを設置し、北海道、和歌山県、奈良県、大分県、沖縄県などの地方自治体や、航空会社、旅行会社、ホテルなど、17ブースに19団体が出展。さらに、東京観光財団が「TOKYO」ブースを、岐阜県が「GIFU(CENTRAL JAPAN)」を出展した。ジャパンパビリオンでは、国際交流基金が書道のパフォーマンス、着物の着付けの実演、こけし、風呂敷、つるし雛(びな)の展示、太鼓や合気道のパフォーマンスなど多彩な日本文化を紹介した。

写真 ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

ジェトロは、ジャパンパビリオンのステージで、日本産水産物および日本酒のプロモーションイベント「JAPANESE SEAFOOD」を、マドリードの日本産食材サポーター店の1つであるRestaurante UEMURAと連携して実施した。日本の食文化や水産物および日本酒に関する説明をし、日本産ホタテを用いた料理の試食と石川県の酒蔵の日本酒の試飲を提供した。参加者からは、「スペイン産ホタテを食べたことはあったが、日本産ホタテを生で食べたことは初めてで、とてもおいしかった」「日本酒はアルコール度数の高い蒸留酒だと思っていたが、おいしかったので驚いた」「ホタテと日本酒のマリアージュが良かった」といった感想が聞かれた。

写真 ジェトロによる日本産水産物および日本酒プロモーションの様子(ジェトロ撮影)

ジェトロによる日本産水産物および日本酒プロモーションの様子(ジェトロ撮影)

2023年の訪日外客数(JNTO推計値)は、新型コロナ感染拡大前の2019年比21.4%減の2,506万6,100人で、うちスペインからは同11.0%減の11万5,900人だった。一方、観光庁の「訪日外国人消費動向調査2023年年間値(速報)」によると、訪日外国人旅行消費額は2019年比9.9%増の5兆2,923億円と、過去最高を更新した。訪日外国人1人当たり旅行支出は、国籍・地域別にみるとスペインが最も高く、2019年比54.3%増の34万1,562円となった。2024年10月27日からは、マドリードから成田国際空港へ直行便の運航が再開されることも追い風となり、スペインから日本への旅行者数の増加も期待される。ジャパンパビリオン担当者によると、会期中に実施された商談では、前年と比較してより具体的かつ踏み込んだ内容の商談が実施されていたとのことだった。

次回のフィトゥールは、2025年1月22~26日にメキシコをパートナー国として開催の予定。

(田中佳恵)

(スペイン)

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