「K-Foodプラス輸出革新戦略」を発表

(韓国)

ソウル発

2024年02月27日

韓国の農林畜産食品部は2月20日、急激に変化するグローバルトレンドや通商環境に対応し、K-Foodプラス(注1)を輸出戦略産業として育成するための「K-Foodプラス輸出革新戦略」を発表した。2023年は官民が「輸出ワンチーム」となって全力で支援した結果、K-Foodプラスの輸出は、厳しい国際環境で輸出が困難な状況の中でも過去最高の実績を達成したと振り返った。そのうえで、今回の同戦略では、2024年の輸出目標135億ドル(2023年は121億4,000万ドル)の達成、3大新市場(中東、中南米、インド)の割合拡大、有望企業が自律的に成長できる基盤づくりを目標に掲げた。

これらの目標を達成するための戦略として、次の6つを挙げた。

(1)輸出構造・体質の改善

  • 物流費支援が中心の輸出構造を、輸出組織の能力強化中心に転換し、輸出組織主導のコールドチェーンインフラを構築
  • 加工食品の輸出は、通商環境への対応、農業との連携を通じて競争力を強化

(2)K-Foodプラスの輸出地域の拡大

  • 潜在力の高い新市場進出を優先的に推進し、既存の市場はローカライズ(EU、ASEANなど)や第2線市場開拓(日本、米国、中国)(注2)を通じて安定的成長を図る
  • 検疫交渉が輸出成果につながるよう、戦略的な輸出検疫を推進

(3)韓流マーケティング・オンライン輸出強化

  • 政府全体が連携してさまざまな方式の韓流ベースのマーケティング(注3)を推進し、グローバルBtoBプラットフォームや海外オンラインモールと連携してオンライン輸出を強化

(4)企業間連携・投資活性化の支援

  • 大企業と中小企業の連携輸出や、輸出企業の投資活性化を支援するとともに、投資基盤づくり(情報提供、コンサルティング)を拡大

(5)川上・川下企業の輸出競争力の強化

  • 政府間協力拡大および関係機関の政策連携強化を通じて政策効果を高め、スマートファームや農業機械、ペットフードなど有望品目に対するカスタマイズ型支援を推進

(6)推進体制の強化

  • 「K-Foodプラス輸出拡大推進本部」(本部長:農林畜産食品部長官)の稼働および政府全体での協力体制の構築

同戦略は、同日に開かれた「K-Foodプラス輸出拡大推進本部」の懇談会で発表された。懇談会で宋美玲(ソン・ミリョン)農林畜産食品部長官は「K-Foodブームや世界貿易の回復などを機に、今年の輸出目標を達成し、中長期的にはK-Foodプラスが世界市場をリードする主力輸出産業となるよう、政策能力を集中させ、官民協力、部署間の協力を強化していくべきだ」と述べた。

(注1)農食品(K-Food)にスマートファーム、農業機械・資材、ペットフード、動物用医薬品などを加えた産業をいう。

(注2)各国の重点都市ではなく、その周辺の地域・都市(中国:青島、日本:京都、米国:テキサスなど)をいう。

(注3)「K-Food Fair」などの海外展示会、アンテナショップ、在外公館と連携した試食イベントなど。

(橋爪直輝)

(韓国)

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