OPECなど、2024年の石油需要の拡大を予想、化石燃料の重要性強調

(中東、米国、中国)

調査部中東アフリカ課

2024年01月05日

OPEC(注)は12月13日に発表した月報で、2024年は複数の地域で石油需要の拡大が見込めると発表した。2024年の世界石油需要は日量225万バレル増と予想している。北米や欧州、中国、インドなどOECD加盟国と非OECD諸国のいずれの地域でも需要拡大が予想されている。

OECD加盟国では、米国が日量14万3,000バレル増加すると予想している。非OECD諸国では、より顕著な増加が予想され、特に中国では日量58万バレルと最も大幅な増加を見込んでいる。

また、12月13日にはカタールのドーハで、OPECとガス輸出フォーラム(GECF)の第4回ハイレベル会合が開催された。会合では、現在、石油とガスがエネルギーミックスの55%を占めており、今後数十年間は過半数のシェアを維持すると強調した。

アル・ガイスOPEC事務総長とモハメド・ハメルGECF事務総長は、持続可能な最新のエネルギーを確保するため、「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標7の「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の石油とガスを通じた達成が不可欠だと主張した。さらに、石油・ガス産業が持続可能な開発と貧困撲滅で建設的かつ重要な役割を果たしつつ、二酸化炭素(CO2)の回収・有効利用・貯留(CCUS)のような先進技術の開発・導入を通じて、公正で秩序ある包括的なエネルギー転換に貢献するとした。

国際エネルギー機関(IEA)も12月14日公表の月報で、2024年の世界石油需要の見通しを日量110万バレル増としている。OPECの予想とは大きな開きがあるものの、前月報で発表した見通しから日量17万バレル引き上げている。

(注)発表時点では、イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラ、リビア、アラブ首長国連邦(UAE)、アルジェリア、ナイジェリア、ガボン、アンゴラ、赤道ギニア、コンゴ共和国の13カ国で構成。アンゴラ国営通信によると、アンゴラは、12月21日にOPEC脱退を発表。

(吉田柚葉)

(中東、米国、中国)

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