カンボジア新首相が初来日で講演、日本企業専用の経済特区設立の意向を表明

(カンボジア、日本)

プノンペン発

2024年01月04日

ジェトロなどは12月19日、東京都内で「カンボジア投資セミナー」を開催した(注)。日ASEAN特別首脳会議のために来日した、カンボジアのフン・マネット首相が登壇し、日本企業にカンボジアのビジネス環境の魅力を発信した。同セミナーには、スン・チャントール副首相、キット・メン・カンボジア商工会議所会頭、石黒憲彦ジェトロ理事長らも参加し、会場とオンラインを合わせて524人が聴講した。

基調講演に登壇したフン・マネット首相は「カンボジアは日本などの支援による港や道路をはじめとするインフラ整備が進む中で、今後さらなる利便性の向上とコスト削減が見込まれ、製造や物流の拠点としての魅力が増している」と述べた。その上で、岸田文雄首相との会談で提案した新しいプロジェクトとして、日本企業の進出支援を目的とした日本企業に特化した経済特区を設置したいと表明した。

ジェトロによるカンボジア政府関係者へのヒアリングによると、経済特区設置は官民パートナーシップ(PPP)方式を利用し、場所はタイ国境付近や、首都プノンペンとタイ国境のポイペトを結ぶ国道5号線に隣接するエリアなどが候補にあがっているという。両国政府が関与する事業となれば、進出日系企業の投資環境上の課題などへの迅速な対応が期待されるほか、各種手続き・申請の軽減や免除などを中心とするサービス面での優遇措置などが見込まれる。

現在、カンボジアには24の経済特区が認可を受け、運営しているが、入居企業が100社を超える経済特区は2カ所にとどまる。既存の経済特区との違いや、日本以外の企業から入居希望があった際の対応などについては、今後、検討が進められる見込みだ。

当該セミナーでは、フン・マネット首相の基調講演のほか、スン・チャントール副首相がカンボジア投資の魅力と政府の取り組みなどを語ったほか、イオンモール、トヨタ、ミネベア、ロイヤルグループのプノンペン経済特区の現地代表者らがカンボジアにおけるビジネスの現状を発表した。

写真 (左写真)登壇するフン・マネット首相、(右写真)パネルディスカッションの様子(ともにジェトロ撮影)

(左写真)登壇するフン・マネット首相、(右写真)パネルディスカッションの様子(ともにジェトロ撮影)

(注)ジェトロ、カンボジア開発評議会、みずほ銀行、カンボジア商工会議所が主催。

(春田麻里沙)

(カンボジア、日本)

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