中国、2023年の外資利用額は前年比8.0%減、製造業・サービス業ともに減少

(中国)

北京発

2024年01月25日

中国の商務部は1月19日、2023年の外資利用額(実行ベース)が前年比8.0%減の1兆1,339億1,000万元(約22兆6,762億円、1元=約20円)、新たに設立された外資系企業数は39.7%増の5万3,766社だったと発表した。商務部は、外資利用額は前年比で減少したものの、「歴史的には高い水準にある」とした。

産業別の金額をみると、製造業は1.8%減の3,179億2,000万元だった。うち、ハイテク製造業は6.5%増、医療機器・設備および計測機器製造業は32.1%増、電子・通信設備製造業は12.2%増だった。

サービス業は13.4%減の7,760億8,000万元だった。うち、建築業は43.7%増、科学技術成果転用サービスは8.9%増、研究開発・設計サービスは4.1%増だった。

国・地域別では、フランスが84.1%増、英国が81.0%増、オランダが31.5%増、スイスが21.4%増、オーストラリアが17.1%増だった。

2013年以降で外資利用額が前年比で減少したのは、2016年のみとなっている(注1)。なお、国際収支統計の対内直接投資額(注2)は、2023年1~9月が155億ドルと大幅に鈍化している。近年、外資利用額は対内直接投資額を下回ってきたが、2022年に逆転、2023年には差が拡大するとみられる(添付資料図参照)。

(注1)外資利用額の過去データはドル建てで公表されている。例年、商務部は前年の外資利用額発表にあたり、人民元建てとドル建て両方の金額を発表してきたが、2023年はドル建て金額を発表していない。

(注2)国際収支統計の直接投資(負債)のフロー。国家外貨管理局によれば、外資利用額と対内直接投資額の主な違いは次のとおりとされる。

  1. 対内直接投資額は資産負債原則、外資利用額は親子関係原則に基づく。
  2. 対内直接投資額はネット金額。
  3. 対内直接投資額は未分配利益、分配利益の未送金分、株主ローンを含む。

(河野円洋)

(中国)

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