自由アルゼンチン再建債の第2回入札結果も低調

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2024年01月09日

アルゼンチン中央銀行は1月4日、「自由アルゼンチン再建債(BOPREAL)」シリーズ1の第2回入札(1月3、4日に実施)の結果を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。7億5,000万ドルの募集に対して落札は5,700万ドルと、募集額の7.6%にとどまった。入札は1月31日まで行われる。

BOPREALは、12月12日以前に通関された財、提供されたサービスに係る未払い輸入代金を支払うスキームとして、未払い輸入代金を抱える輸入者のみを対象とした中央銀行債だ(2024年1月5日記事参照)。中銀は2月以降、現在入札中のシリーズ1に続いて、満期が短いシリーズ2、シリーズ3の入札を開始するとしている。

複数の日系企業によると、12月26日以降、国内金融機関が取引先を対象にBOPREALの説明会を開催している。BOPREALを購入するかどうか、アルゼンチンの日系企業関係者にヒアリングしたところ、リスクのある債券のため、本社を説得する材料がないとの指摘が複数あった。他方、BOPREAL購入に代わるプランBが今のところ存在しないため、通貨ペソの価値を守る上でBOPREALは魅力的だとの声もある。

1月5日付の現地紙「アンビト」(電子版)はBOPREALへの応札が少ない理由について、流通市場での売却価格が不透明なことや、12月13日の通貨切り下げ以降、公式為替レートと並行為替レートの乖離幅が縮小したため、長期間保有しなければならないBOPREALの魅力が薄れているといったエコノミストらの見方を伝えている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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