アルセロール・ミッタル、インド工科大学とアジア初のハイパーループ試験施設で提携

(インド、ルクセンブルク、日本)

調査部アジア大洋州課

2024年01月10日

世界有数の鉄鋼メーカーのアルセロール・ミッタル(本社:ルクセンブルク、AM社)は、インド工科大学(IIT)マドラス校などと、超高速輸送ライン「ハイパーループ」の試験施設を同校のキャンパス内に建設する提携の締結を1月3日に発表した。アジア初となる同施設はインド鉄道省もパートナーとなり、2024年3月末までの稼働開始を予定する。

同施設では、IITマドラス校や同校から創業した旅客・貨物輸送用ハイパーループ技術を開発するスタートアップ企業(SU)などと連携し、最高時速200キロでチューブ内を空中浮遊するポッドの走行試験を行う。AM社はエンジニアリングやデザイン、プロジェクト管理の専門知識を提供するほか、同社と日本製鉄の合弁会社アルセロール・ミッタル・ニッポンスチール・インディア(AM/NS India)が試験に使用する鉄製チューブ製造のため400トンの鋼材を供給する見込みだ。

AM社は2023年7月、鉄鋼製造の脱炭素化を支援する基金「XCarbイノベーションファンド」内に、インドSU向けアクセラレータープログラムを立ち上げたと発表した。同基金は2021年に設定されており、インドの脱炭素化技術開発にさらに力を入れていくとみられる。

(深津佑野)

(インド、ルクセンブルク、日本)

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