12月の失業率は3.9%で横ばい、2023年は年間で就業者数が増加傾向

(オーストラリア)

シドニー発

2024年01月24日

オーストラリア統計局(ABS)は1月18日、12月の雇用統計を発表し、失業率(注)が前月から横ばいの3.9%だったと発表した。失業率は2022年初頭から2023年半ばまで3.5%前後の低水準が続いていたが、2023年11月に18カ月ぶりに3.9%と上昇していた。

就業者数は前月比で6万5,100人減少(0.5%減)し、1,420万1,100人だった。失業者数も同800人減少(0.1%減)し、57万3,600人だった。一方、就業者数は前年同月比で見ると、38万1,000人増加(2.8%増)した。

雇用形態別にみると、フルタイムは前月比で10万6,500人減少の979万1,200人、パートタイムは同4万1,400人増加の440万9,900人と、パートタイム雇用者が全体の3割程度となっている。不完全雇用率は前月から横ばいの6.5%、労働力の未活用率も横ばいの10.4%だった。

失業率を州別に見ると、前月から横ばいだったのは、ビクトリア州(4.0%)、南オーストラリア州(3.9%)、タスマニア州(3.6%)、ニューサウスウェールズ州(3.4%)だった。西オーストラリア州(同0.2ポイント増の3.9%)、首都特別地域(同0.3ポイント増の3.9%)で失業率が上昇した。一方、クイーンズランド州(同0.1ポイント減の4.3%)、北部準州(同0.2ポイント減の4.5%)では失業率が低下した。

12月の就業者数は前月比で減少したが、9月の就業者数と比較すると、約5万2,000人増加している。過去12カ月で見た場合には、全体として毎月平均で3万2,000人増加しており、ABSによると、2023年は年間を通じて比較的底堅い伸びが見られたと説明している。また、失業率、不完全雇用率がともに引き続き低水準で横ばいとなったことから、労働市場は比較的逼迫した状態が継続していると分析している。

(注)全て季節調整済みの数字。

(青島春枝)

(オーストラリア)

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