混乱を極めた地方選終結、10月の大統領選に向け野党内の動きが活発に

(モザンビーク)

マプト発

2024年01月22日

モザンビーク憲法評議会は2023年12月30日、同月10日に再投票を実施した4自治体(2023年12月12日記事参照)の選挙結果を発表した。これにより、全65自治体すべての地方自治体選挙の結果が確定した。再投票が行われた4自治体ではいずれも現政権与党のモザンビーク解放戦線(FRELIMO)が制し、FRELIMOは合計60自治体での勝利となった。野党第1党のモザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)は4自治体、第2党のモザンビーク民主運動(MDM)は1自治体のみの勝利という結果に終わった。

2024年10月9日に予定されている大統領選挙を見据え、野党RENAMOの大統領候補者を巡る動きに注目が集まっている。1月4日には、RENAMOのジョゼ・マンテイガス報道官が、オスフォ・モマデRENAMO党首が大統領選に立候補する意向を示した、とメディアが報じた(「カルタ・デ・モザンビーク」2024年1月8日)。

これに対し、同党のベナンシオ・モンドラーネ議員ら一部有力者は、大統領候補は党規に基づき党大会で選出された党首がなるべきだとし、反発の意思を示した。モンドラーネ議員は同党の国会議員団の副代表を務め、地方選ではマプト市の市長候補に擁立された人物で、本地方選投票後に展開された与党の選挙不正疑惑(2023年10月30日記事参照)の糾弾や、首都での抗議デモでは主導的な役割を果たし、デモ行進のライブ配信などSNSを活用したPR戦略により民衆からの大きな支持を集めている。1月12日には自身のフェイスブックで配信した演説で、自身がRENAMO党首選に立候補することを表明した。現在のモマデ党首の任期は1月17日までのため、日程は明らかにされていないが、RENAMOは党大会を開催し、次期党首を選出する予定だ。

一方、モザンビーク選挙管理委員会(CNE)は1月8日、大統領選挙に向けたスケジュールを発表した。大統領候補者の推薦書類は5月13日から6月10日までにCNEに提出されることを定めた。現政権与党のFRELIMOは、慣例では党首を大統領候補者として推薦する。フェリペ・ニュシ現大統領は憲法に規定された任期の上限(2期目)を迎えるため、FRELIMOが誰を推薦するかが注目されている。

(松永篤)

(モザンビーク)

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