インド最大の投資誘致イベント閉幕、4万件以上の26兆ルピー超の覚書締結

(インド)

アーメダバード発

2024年01月18日

インド西部グジャラート(GJ)州で開催された国内最大の投資誘致イベント「第10回バイブラント・グジャラート・グローバル・サミット外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(VGGS)」は3日間の日程を終えて、1月12日に閉幕した。ブペンドラ・パテルGJ州首相は同日のSNSへの投稿で、期間中に140カ国を超える国から約6万1,000人の参加者を集め、26兆3,300億ルピー(約47兆3,940億円、1ルピー=約1.8円)の投資提案を含む4万1,299件のプロジェクトに関する覚書が調印されたと明らかにした。

5年ぶりに開催されたVGGSは、当初2022年1月に開催される予定だったが、新型コロナウイルス禍によって開会直前に延期された。このため、この時点で締結されていた18兆8,700億ルピーの投資提案を含む5万7,241件の覚書と、今回実現した覚書を加えると、合計45兆2,000億ルピーの投資提案を含む9万8,540件の覚書が締結されたことになる。

GJ州の投資申請手続きポータルサイト(IFP)の情報に基づく報道によると、同州への投資提案件数が多い産業分野は、都市開発、鉱物、化学、石油化学、畜産・漁業、電力、石油・ガス、農業・食品加工、繊維・アパレルなど。また、2019年2月1日から2024年1月12日の間に覚書が調印された分野には、環境、森林・気候変動、農村開発・都市住宅、教育、エンジニアリング・自動車、ヘルスケア、製薬、観光などの案件が含まれているとされている(1月13日「アーメダバード・ミラー」)。

閉会に当たって連邦政府のアミット・シャー内相は、今回4人の国家元首、100カ国以上の代表、16のパートナー国が参加したこと自体が成功を意味すると演説。VGGSは新たなアイデアと技術革新のプラットフォームで、ナレンドラ・モディ首相がかつて提唱した国際金融特区GIFTシティー構想は花開き、ドレラ特別投資地域(SIR)の進捗は辛口批評家の間違いを証明したと表明。マンダル-ベチャラジSIRは自動車ハブとして台頭し、ダヘジの石油化学、バルーチのバルク製薬工業団地、バドダラのバイオテクノロジー工業団地の建設により、GJ州への投資は増加していると語った。モディ首相が改革したGJ州は「結果重視・政策主導」の州で、透明で汚職のない統治、平和な環境により、世界中の投資家に選ばれていると述べ、「今やインドは未来型経済の牽引者だ。半導体、グリーン、バイオ燃料などの新興分野を開拓中で、今後は医療、教育に注力し、宇宙分野も伸びてゆく」と強調した。

パテルGJ州首相は「未来へのゲートウエー」をテーマに開催したVGGSは、半導体、再生可能エネルギー、グリーン水素、電気自動車(EV)、航空宇宙、防衛装備品製造など、新興分野にインスピレーションを与えたと述べ、グリーン水素と再生可能エネルギー関連分野の多くの覚書が締結されたことや、地域の成長と中小零細企業(MSME)の活性化にも配慮されたサミットだったと締めくくった。

(古川毅彦)

(インド)

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