BYD、ハンガリーに欧州初のEV工場を建設へ

(ハンガリー、中国)

ブダペスト発

2024年01月04日

ハンガリーのシーヤールトー・ペーテル外務貿易相は12月22日、中国の電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)がハンガリー南東部の都市セゲドに欧州初のEV組立工場を建設すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(2024年1月4日記事参照)。シーヤールトー外務貿易相は、同社の決定はハンガリー投資促進庁(HIPA)との224回にわたる交渉の結果だと述べた。

HIPAは同日付のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの中で、ハンガリーはビジネスフレンドリーな環境、利用可能で整備されたインフラと物流網、競争力を有しかつ熟練した豊富な労働力、グリーンエネルギー移行への献身的な取り組みにより、BYDの欧州初のEV製造工場として最適な場所だとした。この投資により、数千人規模の高付加価値の雇用が創出されることになる。

シーヤールトー外務貿易相は、このプロジェクトはハンガリー経済史上で最大規模の投資の1つになると述べた(注)。政府はこの投資に対して財政支援を行うが、金額は欧州委員会の承認後に公表される予定とした。

同相はまた、今回の投資によりハンガリー経済の地位と長期的な経済成長の基盤がさらに強化されると同時に、世界的なEVへの移行におけるハンガリーの役割も強化されるとした。さらに、「この投資は技術革新におけるハンガリーの主導的役割を強調するものでもある。ハンガリーは今、世界の技術革新の最前線にいる」と述べた。

実際に、ドイツの自動車メーカー3社(アウディ、BMW、メルセデス・ベンツ)はe-モビリティー戦略の重要な部分をハンガリーに置いており、同3社がそろって生産拠点を構えている国は、中国を除いてハンガリーのみだ。

BYDは2023年10月、ハンガリーでドルフィン、シール、アットスリーの3車種の販売を開始した。同社のハンガリーにおける投資は、2017年に開設した電気バス工場(北西部コマロム)、2023年6月に発表されたバッテリー組立工場(北部フォート)に次いで3件目となる。

(注)ハンガリーにおける過去最大のグリーンフィールド投資プロジェクトは、中国の車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)によるもので、投資総額は73億4,000万ユーロ(2022年8月18日記事参照)。

(バラジ・ラウラ)

(ハンガリー、中国)

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