2023年第3四半期GDP成長率は前年同期比マイナス0.8%、下げ幅は縮小

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2024年01月09日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は2023年12月15日、2023年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率は前年同期比マイナス0.8%と発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した(添付資料図参照)。前年同期比では2021年初めから9四半期連続のプラス成長だったが、2023年第2四半期(4~6月)にマイナス5.0%と大幅に減速し、第3四半期は2期連続のマイナス成長となった。ただし、第3四半期の前年同期比マイナス幅は4.2ポイント縮小し、前期比(季節調整済み)では2.7%と改善した。

産業分野別に成長率を前年同期比でみると、マイナス幅が大きかったのは、農業・牧畜・狩猟・林業のマイナス7.6%、製造業と家庭向けサービスのマイナス3.7%。一方、ホテル・レストラン、鉱業・採石がそれぞれ7.2%と5.9%の大幅なプラスとなった(添付資料表参照)。増減寄与度でみると、特に製造業と農業・牧畜・狩猟・林業がGDP成長率全体を押し下げた。需要項目別では、輸出が前年同期比でマイナス4.8%となり、GDP成長率全体の最大の押し下げ要因となった。

中央銀行が民間エコノミストらを対象に毎月実施している主要経済指標の予測値に関するアンケート調査(REM)の最新調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(2023年11月版)によると、2023年第4四半期のGDP成長率予測中央値は前期比マイナス2.1%、2023年通年では前年比マイナス1.4%となっている。2024年通年では、マイナス2.4%と予測している。2023年12月25日付現地紙「インフォバエ」(電子版)は、2024年の主要農産物輸出が前年比で65%以上増加するとのロサリオ穀物取引所の見通しと、農業、工業、エネルギー、漁業セクターの輸出改善により2024年下半期には経済成長がプラスに転換する可能性が高いとの経済コンサル会社エコンビューの見通しを伝えている。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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