中国、2年連続で人口減、出生数は最低更新

(中国)

北京発

2024年01月29日

中国の国家統計局は1月17日、2023年末時点の人口(注1)は14億967万人で、前年から208万人減少したと発表した。人口減少は2年連続となる。男性は7億2,032万人、女性は6億8,935万人だった。

出生数は902万人と前年から54万人減少した。2年連続で1,000万人を下回り、1949年の建国以来で最低を更新した。政府は2013年末に、夫婦のうちいずれかが一人っ子の場合に第2子を持つことを認めることを決定。さらに、全ての夫婦に対して2016年に第2子、2021年に第3子まで持つことを認めた(2022年6月29日付地域・分析レポート参照)。政策の効果もあって出生数は2014年、2016年に前年比で増加したものの、2017年以降は減少を続けている(添付資料図参照)。

一方、2023年の死亡数は1,110万人と前年から69万人増加した。死亡率は7.87%で、1969年以来の高さとなった。

65歳以上の人口は2億1,676万人で、高齢化率(注2)は15.4%となり、前年から0.5ポイント増加した。政府は2035年前後に60歳以上人口が30%を超えると予測している(2022年9月29日記事参照)。1月には人口高齢化に対応しつつ経済成長を図るため、「シルバー経済の発展と高齢者福祉の増進に関する意見」を発表している(2024年1月25日記事参照)。

南開大学経済学院の原新教授は、2024年は辰(たつ)年効果(注3)と新型コロナウイルスの影響収束により、2023年から人口減少は緩やかになるとしながら、長期的な傾向は変わらないだろうとした(「海報新聞」1月17日)。

(注1)香港・マカオ・台湾籍の住民や外国人は含まない。人口データは1981年以前は戸籍統計、1982年、1990年、2000年、2010年、2020年は人口センサス、その他の年はサンプル調査による。サンプル調査によるデータはその後の人口センサスに基づいて修正されている場合がある。サンプル調査は毎年11月1日午前0時時点のデータを基に年間の数値を推定している。

(注2)人口のうち65歳以上が占める比率。

(注3)中国で竜は縁起がいいため、地域によってそれにあやかって辰年に子供を産むことを好む習慣がある。

(河野円洋)

(中国)

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