インド最長の海上道路が開通、ムンバイ湾両岸つなぐ

(インド、日本)

ムンバイ発

2024年01月18日

インド西部マハーラーシュトラ(MH)州のムンバイ湾にかかる国内最長の海上道路が1月12日に開通した。全長21.8キロで、これまで約2時間かかっていたムンバイ市と対岸のナビムンバイ市の移動時間が約20分に短縮される。

総工費2,120億ルピー(約3,816億円、1ルピー=約1.8円)のうち、約70%は国際協力機構(JICA)による円借款で支援された。3つの工区に分割して国際入札を行った後、2018年に着工し、日本企業ではIHIインフラシステムとJFEエンジニアリングが建設に関わった。

インド最大の商業都市ムンバイ市は半島に位置する世界有数の人口過密都市で、交通渋滞とそれに伴う経済損失が課題となっている。これに対処してムンバイ都市圏を広域的に発展させるため、MH州政府はムンバイ市の対岸に計画都市としてナビムンバイ市を開発してきた。ナビムンバイ市にはインド最大のコンテナ港のJNPT港が位置するのに加え、2023年11月にメトロ(都市高速鉄道)が開業、2025年3月には新ムンバイ空港の部分開業が予定されるなど、開発が急速に進んでいる。今回の海上道路の開通により、ムンバイ市とナビムンバイ市の接続性が飛躍的に向上し、ムンバイ都市圏のさらなる成長が期待される。

12日に行われた開通式には、ナレンドラ・モディ首相とエクナット・シンデ州首相、鈴木浩駐インド大使らが出席した。海上道路の正式名称には、モディ首相率いる政権与党のインド人民党(BJP)の創設者、アタル・ビハリ・バジパイ元首相の名を冠して「アタル橋」(Atal Bihari Vajpayee Sewri-Nhava Sheva Atal Setu:Setuはヒンディー語で橋の意)と命名し、2024春に予定されている総選挙に向けて党の功績をアピールした。

(丸山春花)

(インド、日本)

ビジネス短信 75fb88cf55a863b4