電気・電子廃棄物規制に関する見直し発表、意見公募を開始

(英国)

ロンドン発

2024年01月09日

英国の環境・食糧・農村地域省(DEFRA)は12月28日、電気・電子機器廃棄物(WEEE)規制に関する見直しを実施することを発表、2つの意見公募を開始した。3月7日まで受け付ける。

同規制は、焼却または埋め立てられるWEEEの削減に向けて、同製品の生産者、ディストリビューターに対して一定の義務を課すもの(詳細は英国政府ウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。生産者には、自社のブランド名で電気・電子機器を生産、英国で販売する在英企業のほか、電気・電子機器を購入して自社製にリブランドし英国で再販売する在英企業、商業ベースで電気・電子機器を英国に輸入する在英企業、英国外に所在してオンラインや郵便などで英国市場に直接供給を行う企業なども含まれる。

まず1つ目の意見公募では、特定分野に関する政策検討に向けた情報収集を行うとしている(DEFRAウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。具体的には「純費用の全額回収」「家庭で生じたWEEEの回収・処理費用の分配」「不要な電気・電子機器の廃棄防止と再利用拡大」「製品設計やビジネスモデルを通じた循環型経済移行」「企業のWEEE回収拡大」「処理水準の向上」の6つの分野が挙げている。

2つ目の意見公募は、より具体的な政策案への意見を募集するもので、家庭で生じたWEEEの回収インフラの整備や、小売店などのディストリビューターの引き取り(take-back)義務強化、オンラインマーケットプレイス(OMP)に対する義務の導入、電子たばこ生産者の費用負担の拡大などに関する検討がなされている(DEFRAウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。提案には、製品のサイズに関わらない家庭向けの回収システムを強化し英国全土に拡大する、大型家電の配送時に消費者の希望に応じて古い家電を無料で回収することを販売者に義務付けることなどを盛り込んでいる。このほか、家庭からのWEEE回収を実行する制度管理者(Scheme Administrator)の設置や、生産者が負担すべき費用についても検討する。

DEFRAは今回意見公募の対象として盛り込んだ措置を段階的に実施するとしている。特にOMPおよび電子たばこに関する措置、大型家電配送時の古い家電の無料回収については、早ければ2024年にも導入する可能性があるとしている。家庭で生じたWEEEの回収システムの導入については2026年を予定している。

(山田恭之)

(英国)

ビジネス短信 73bc81af743b6538