上海市、オンライン・ニューエコノミー発展に向けた政策措置を発表

(中国)

上海発

2024年01月16日

中国・上海市政府は1月5日、「上海市オンライン・ニューエコノミーの健全な発展に向けた政策措置」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(注1)。質の高い経済発展を推進し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促すほか、上海市の国際競争力の優位性を確立することを目的とする。同措置は2028年12月31日まで実施する。主な内容は次のとおり。

  1. オンライン・ニューエコノミー産業園区(注2)におけるITインフラの構築を加速し、5G+、バーチャルヒューマン(注3)、無人運転車、サービスロボットなど新たなビジネスの試験的応用を促進する。
  2. 製造業では、DXを推進し、特に集積回路(IC)、繊維、自動車などの分野で、デジタルサプライチェーンの構築に取り組む。
  3. スマート交通分野では、自動運転技術の公道実証実験の範囲を拡大し、IT技術を導入したタクシーや無人配送車の応用を促進する。
  4. インターネット医療サービスを最適なかたちで提供し、オンライン診断、処方箋の発行、医薬品のトレーサビリティ、オンライン再診などを一体化して管理できるシステムを構築する。
  5. オンライン・ニューエコノミー企業が、市レベルの専門ファンドや国家科学技術重大特別プロジェクトに申請することを支援する。重大特別プロジェクトとして認定された場合、上海市政府からプロジェクト投資額の50%、最大で5,000万元(約10億円、1元=約20円)が支給される。

上海市経済情報化委員会によると、2023年1~11月におけるオンライン・ニューエコノミー関連産業の売り上げは前年同期比18.6%増の1兆1,976億3,500万元に達しており、上海市のデジタル経済の発展に貢献している(「中国証券報」2024年1月5日)。

(注1)オンライン・ニューエコノミーは、人工知能(AI)、5G(第5世代移動通信システム)、インターネット、ビッグデータ、ブロックチェーンなどのIT技術を活用し、オンラインとリアルを融合した新たな産業モデル。

(注2)楊浦区「長陽秀帯」、浦東区「張江在線」、長寧区「虹橋之源」の3つのエリアを指す。

(注3)AIを搭載し、コンピュータ・グラフィックスなど3DCGで作られた仮想のキャラクター。

(王艶)

(中国)

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