自動車部品メーカーの拓普集団、約1,000億円でロボット向けアクチュエーター工場を建設

(中国)

上海発

2024年01月12日

自動車部品メーカーの寧波拓普集団は1月4日、地元の浙江省寧波市経済開発区と投資契約を交わし、ロボット向け電動アクチュエーターの生産拠点を建設すると発表した。300ムー(20ヘクタール)に上る工業用地を確保し、総額50億元(約1,000億円、1元=約20円)を投じる計画だ。主にロボットのコア部品であるアクチュエーターの研究開発、生産、販売を手掛けるが、他のロボット用部品事業にも乗り出す予定だ。同社はスマート電気自動車(EV)分野で蓄積してきたノウハウや技術などを生かし、アクチュエーターを足掛かりにロボット分野に本格的に進出する。

拓普集団は2023年7月、ロボット開発を4つ目の事業部として立ち上げた。開発した人型ロボット向けアクチュエーターのサンプルは、顧客から好評を得ているという。同社が2023年8月に公表した2023年上半期の決算報告によると、2024年第1四半期に量産を開始し、アクチュエーターの生産量が、初期段階で週当たり100台と予定されている。1期目の年産能力は10万台の見込みだが、将来的には100万台まで引き上げる方針だ。

拓普集団は上海証券取引所上場の大手自動車部品メーカーで、主に自動車用シャーシシステム、トリムシステム、インテリジェント運転システムなどを生産している。ドイツのアウディ、BMW、フォルスワーゲン(VW)、米国のゼネラルモーターズ(GM)、フォード、中国の理想汽車、上海蔚来汽車(NIO)など、完成車メーカーのグローバルパートナーとなっている。

米国自動車専門誌のオートモーティブニュースが2023年6月に公表した2023年版の「世界自動車部品メーカー上位100社」では、拓普集団が94位にランクインされた。

(劉元森)

(中国)

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