南米最大級のコンテンツ見本市、日本のキャラクターに関心集まる

(ブラジル、日本)

サンパウロ発

2024年01月19日

南米最大級のコンテンツ見本市(コミックコンベンション)「コミックコン・エクスペリエンス(Comic Con Experience、CCXP)」が2023年11月30日~12月3日、ブラジル・サンパウロ州サンパウロ市で開催された。同イベントはアニメ、映画、コミック、ゲームなどのポップカルチャーの見本市で、65社が出展した。国外企業は米国からアマゾン、ネットフリックス、マイクロソフト、ワーナー・ブラザーズ、日本から日清食品、任天堂、丸紅が出展した。現地放送局大手のシステマ・ブラジレイロ・デ・テレビザオン(SBT)やへジ・グローボも出展した。

日本のキャラクター関連商品が散見、バイヤーはライセンス取得に意欲

ブラジル企業は日本のコンテンツ取得に意欲的だ。SBTは2月から広告掲載型の動画配信サービス「+SBT」を開始する。同社のコンテンツ購買担当者は「数年前に日本のアニメ作品を放映したところ、大人気になった。日本のアニメ作品をはじめとする映像作品をこのプラットフォームで放映し、ブラジルの視聴者の反応を見たい」と作品購買に意欲を見せた。SBTは同見本市で「+SBT」開始に伴う大規模なプロモーションを実施し、多くの来場者の視線を引き付けた。

サンパウロ州政府もコンテンツ企業の誘致に積極的で、州政府のブースを設けていた。同州政府は日本だけでなく、アジアのコンテンツ誘致にも力を入れており、コンテンツ産業を通じ、若者に政治経済への関心を喚起させる各種イベントを画策している。

会場には「鬼滅の刃」や「進撃の巨人」「チェンソーマン」「NARUTO -ナルト」「ONE PIECE」など日本アニメのキャラクターの格好をしたコスプレーヤーが多くみられ、日本のキャラクターを使用したアパレル用品やアニメフィギュアなども販売されていた。

写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

写真 SBTのブース(ジェトロ撮影)

SBTのブース(ジェトロ撮影)

ジェトロは同見本市にジェトロ事業者向けのBtoBオンラインカタログサイト「Japan Street」(注)の広報を目的としたブースを設置した。ブースを訪れたバイヤーからは「日本のアニメキャラクターの著作権を持つライセンサーとつながりたい」との相談が寄せられ、キャラクターを活用した商品化への関心が高かった。

CCXP主催者の関連会社によると、会期4日間の総来場者数は28万7,000人だった。連日で入場できるチケットは売り切れとなり、多数の来場客でにぎわった。

(注)「Japan Street」は、海外バイヤーとの商談・取引機会の創出を目的に、日本の企業や商品情報(映像コンテンツなどの作品を含む)を掲載しており、ジェトロが招待したバイヤーのみが閲覧可能となっている。

(サンドラ金子、伊藤優一)

(ブラジル、日本)

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