2023年の広東省GRPは前年比4.8%増、全国の実質GDP成長率を下回る

(中国)

広州発

2024年01月30日

中国の広東省統計局は1月23日、同省の2023年の域内総生産(GRP)は前年比4.8%増の13兆5,673億1,600万元(約271兆3,463億2,000万円、1元=約20円)だったと発表した。中国の2023年のGDPは前年比5.2%増の126兆582億元で、中国全体に占める広東省の割合は10.8%となった。

主要経済指標でみると、広東省の社会消費品小売額は前年比5.8%増の4兆7,500億元となった。うち、飲食業は26.5%の2桁増だが、実物商品小売りは3.5%と微増だった。オンラインショッピングは引き続き好調な成長を示し、広東省内で一定規模以上企業(注1)の、オンラインでの実物商品の小売額は13.8%増で、社会消費品小売額全体の13.4%を占めている。

貿易総額は前年比0.3%増の8兆3,000億元、うち輸出総額は2.5%増の5兆4,000億元、輸入総額は3.6%減の2兆9,000億元だった。深セン市の貿易総額は3兆8,700億元で5.9%増加し、同省の貿易総額の46.6%を占めた。うち、輸出総額は12.5%増の2兆4,600億元で、31年連続で中国国内1位となった。

固定資産投資額は前年比2.5%増で、うち、インフラ投資が4.2%増、不動産開発投資が10.0%減だった。業種別にみると、工業投資は22.2%増、電力・熱・ガスおよび水の生産・供給業が24.3%増、ガス生産・供給業が32.3%増となった。

1月23日に開催された広東省第14期人民代表大会第2回会議において、広東省の王偉中省長は、広東省の経済は依然として外部環境の影響や、需要の不足、マインドの弱さ、一部企業の経営困難などの問題に直面している。特に、コア技術における「卡脖子」問題(注2)、地域発展の不均衡、省エネ・二酸化炭素排出量削減などの問題に対しては、一層の解決を推進する必要があると述べた。また、2024年の経済成長率目標について、王氏は、GRPを前年比5%、固定資産投資を4%、社会消費品小売額を6%、貿易総額を1%、工業生産増加額(付加価値ベース)を5%増加させるとした。

(注1)一定規模以上の企業とは、以下のとおり。主業務の年間収入が2,000万元以上の卸売業、500万元以上の小売企業、200万元以上のホテルや飲食業を指す。

(注2)「卡脖子」問題とは、ハイテク、イノベーションなどの分野において、中国が鍵となる重要技術を掌握しておらず、外国による技術封鎖の危険にさらされる危険性があることを指す。

(梁梓園)

(中国)

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