現代自、マハーラーシュトラ州プネの旧GM工場取得へ覚書

(インド、韓国)

ムンバイ発

2024年01月26日

インドのマハーラーシュトラ州産業開発公社(MIDC)は1月19日、マハーラーシュトラ(MH)州と韓国系自動車大手の現代モーター・インディア(HMI)が事業拡張計画で覚書(MOU)を締結したと発表した。プネ近郊に位置し、MIDCが開発するタレガオン工業団地内の旧ゼネラルモーターズ(GM)工場を現代が取得する計画が前進した。なお、MOUはスイスで1月15~19日に開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)において交わされた。

同工場は、GMが2020年に撤退した後、買い手を探しており、現代が2023年8月にGMとの資産購入契約に調印したと発表していた。当時のプレスリリースによると、同工場での生産は2025年に開始する予定。地元メディアによれば、現代は同工場に600億ルピー(約1,080億円、1ルピー=約1.8円)の投資を行うとみられる(「ミント」1月19日、「ビジネス・スタンダード」1月19日)。

GM時代の同工場の年産能力は13万台。現代は2023年上半期の時点で南部タミル・ナドゥ州の工場の年産能力を82万台まで引き上げていた。成長が続く自動車市場を背景に、インドでの年産能力を100万台に増強するとしており、同工場の買収は目標達成に向けた基盤となる。

同社は2022年度の国内乗用車販売数で、マルチ・スズキに次ぐ約15%のシェアを占め、2023年5月にはタミル・ナドゥ州政府とも電気自動車(EV)などの生産拡大に向けてMOUを締結するなど、インド市場で存在感を発揮している(2023年5月23日記事参照)。

デカン高原に位置するMH州プネ一帯は、インドの自動車製造の一大集積地として知られる。インド地場企業および外資企業が多くの自動車・部品製造拠点を構えていて、日系大手ではブリヂストンや日立アステモなどが進出している。その他の部品メーカーも非日系メーカー各社と取引している。

(丸山春花)

(インド、韓国)

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