香港、11月の小売売上高は前年同月比15.9%増

(香港)

香港発

2024年01月11日

香港特別行政区(以下、香港)政府統計処は1月4日、2023年11月の小売売上高(速報値)を前年同月比15.9%増の341億7,800万香港ドル(約6,494億円、1香港ドル=約19円)と発表した(添付資料図参照)。12カ月連続で前年同月比プラスとなった。

同月の小売売上高のうち、オンライン販売額は前年同月比16.1%減の31億6,500万香港ドルで、小売売上高全体の9.3%を占めた。

品目別にみると、増加幅が最大だったのは前月同様「宝飾、時計および高級贈答品」で、前年同月比60.8%増の46億7,800万香港ドルとなった(添付資料表参照)。次に増加幅が大きかったのは「衣類、靴および関連製品」で、49.6%増の41億3,100万香港ドルだった。「食品、酒類、たばこ」(注1)も増加を示し、6.3%増の29億5,000万香港ドルとなった。一方で、「燃料」は12.8%減の8億1,400万香港ドルと、8カ月連続でマイナスになった。

業態別にみると、「百貨店」は前年同月比15.0%増の33億1,900万香港ドルと増加した一方で、「スーパーマーケット」(注2)は5.0%減の40億2,100万香港ドルだった。

香港政府報道官は11月の小売売上高について、「来港観光客数の継続的な回復により、前年同月比でさらなる増加を示した」と述べた。同報道官は今後の小売売上高の見通しについて、来港観光客数のさらなる回復が小売業界に恩恵をもたらすことが期待されるとし、「継続的な家計所得の増加や、香港政府や小売業界団体によるさまざまな経済活性化策も下支えするだろう」との見解を示した。

香港小売業管理協会の執行総監の羅振邦(ボンド・ロー)氏は11月の小売売上高について、「11月は長期休暇がなかったため、香港在住者は海外に旅行せず香港域内にとどまり消費をした。加えて、『ダブルイレブン』(注3)期間の販売促進活動によって、香港域内での消費が増加した」と述べた(「信報」1月5日)。

(注1)スーパーマーケット以外での売上高。

(注2)百貨店内のスーパーマーケット部門の売上高は含めない。

(注3)中国では11月11日に行われる一大EC(電子商取引)セールイベントを指すが、香港では11月中旬に行われる店頭とオンライン販売促進活動を指す。

〔何樂晴(エスター・ホー)〕

(香港)

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