AnyMind GroupがインドにAI研究拠点を新設、海外展開のポイントは人材の現地化

(インド、日本)

調査部アジア大洋州課

2024年01月04日

世界15カ国・地域で事業を展開するEC(電子商取引)・マーケティング支援会社AnyMind Group(本社:東京)は、127日にインド南部ベンガルールに人工知能(AI)の研究開発拠点「AI Lab」を開設した。東京に続き、今回が2拠点目の研究施設となる。

同社は、20203月にインド、中東、東南アジアなどでのモバイルマーケティングプラットフォーム「POKKT」を運営するMaiden Marketingを完全子会社化したことを皮切りにインド事業を開始、現在ではニューデリー、ムンバイ、ベンガルールを拠点に事業を展開している。

特徴的なのは、人材の現地化を進めている点だ。同社代表取締役(CEO)の十河宏輔氏は「グループ全体で1,500人のスタッフのうち、日本人は400人程度。セールスマーケティングにおいては、現地の商習慣や文化への適応は不可欠で、経営人材も現地化する必要がある」と語った(20231225日ヒアリング)。新設の「AI Lab」でも、現地エンジニア2人の募集枠に対して1,000人程度の応募があり、「社内公用語が英語であることや、20カ国以上から採用されたスタッフの多様性といった働きやすい環境づくりが、候補者に刺さるのではないか」(十河CEO)と分析する。

写真 AnyMind Groupの十河CEO(同社提供)

AnyMind Groupの十河CEO(同社提供)

また、2020年にインドと同時にアラブ首長国連邦(UAE)にも進出した同社は、2023年12月14日にサウジアラビア拠点を新設したばかりだ。インド市場と中東市場の違いとして、十河CEOは「インドは競合が多く、スタートアップなど国内プレーヤーが成長してきている一方、中東は業種によってはまだブルーオーシャンで先行者利益を得やすい状態にある。他方、人口の多さはインド市場の魅力であり、世界15カ国・地域に広がるクロスボーダーな営業連携を強みに、インド事業を拡大させていきたい」と語った。

(深津佑野)

(インド、日本)

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