第3四半期GDP成長率、EUは前期比横ばい、ユーロ圏はマイナス0.1%

(EU、ユーロ圏)

ブリュッセル発

2023年12月13日

EU統計局(ユーロスタット)は12月7日、2023年第3四半期(7~9月)のEU27カ国の実質GDP成長率(季節調整済み)は前期比0.0%の横ばいと発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、添付資料表1参照)。ユーロ圏20カ国の実質GDP成長率は前期比マイナス0.1%だった(添付資料表2参照)。

EUのGDP成長率(前期比)を需要項目別にみると、個人消費は0.4%増(前期:0.2%増)、政府消費支出は0.3%増(前期:0.2%増)、総固定資本形成は0.2%増(前期:0.1%増)と、わずかに拡大した。一方、輸出入はマイナス成長が続いており、輸出は前期と同じ1.0%減、輸入は1.4%減(前期:0.1%減)とマイナス幅が拡大した。

EUのGDP成長率(前期比)を国別でみると、前期に比べてマイナス成長の加盟国が増え、アイルランドがマイナス1.9%、エストニアがマイナス1.3%など、13カ国でマイナス成長となった。一方、マルタ(2.4%)、ポーランド(1.5%)、キプロス(1.1%)の3カ国では1.0%以上の成長率だった。EU主要4カ国では、スペイン(0.3%)はプラス成長を維持し、イタリア(0.1%)は前期のマイナス成長からプラスに転じた。ドイツとフランスは前期のプラス成長からともにマイナス0.1%に縮小した。

雇用はわずかに拡大

2023年第3四半期のEUとユーロ圏の雇用者数の伸び率(前期比)をみると、EUとユーロ圏でそれぞれ前期比0.2%増となった(添付資料表3参照)。国別では、エストニア(0.9%減)、チェコ(0.7%減)、フィンランド(0.6%減)、ブルガリア(0.3%減)の4カ国で雇用者数が減少した。1.0%以上の増加となった加盟国は、リトアニアとマルタ(いずれも1.4%増)、スペイン(1.3%増)、クロアチア(1.0%増)の4カ国だった。

なお、ユーロスタットが11月30日に発表したEUとユーロ圏の2023年10月の失業率外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(季節調整済み)はそれぞれ6.0%、6.5%で、2023年3月以降ほぼ横ばいとなっている。

(大中登紀子)

(EU、ユーロ圏)

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