2024年1月から工業製品の輸入に係る関税を撤廃

(スイス)

ジュネーブ発

2023年12月19日

スイスにおいて、工業製品の輸入時にかかる関税が2024年1月1日から撤廃される(政府ウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。これは、2021年10月に連邦議会が承認した改正関税率法の適用が開始となるためだ。スイス連邦経済省経済事務局(SECO)は、工業製品の関税撤廃により、スイスに所在する企業は、より安価な輸入から製造コストを下げられるようになり、国際競争力を高めることにつながるとしている。

関税撤廃の対象となるのは、スイスの関税品目分類(注)の農水産品を除く全ての品目で、第25~97類(第35類、38類で農産物として分類される特定の品目を除く)。原産地にかかわらず、該当HSコードの品目の関税がすべて撤廃される。

また、次の場合、輸入の際に特恵関税活用のための原産地証明書が不要となる。

  1. 輸入の時点で再輸出が予定されておらず、最終目的地がスイスであるもの
  2. 輸入された後、スイスで加工されて再輸出されるが、再輸出の際に特恵関税を適用しないもの
  3. 輸入された後、そのまま加工されず再輸出されるが、再輸出の際に特恵関税を適用しないもの
  4. 輸入された後、スイスで十分な加工・処理がされるため自由貿易協定(FTA)の原産地規則の「累積」条件を満たす必要がなく、スイス原産品としてFTAの特恵関税を適用して再輸出されるもの

一方、輸入された後にFTAの特恵関税を適用して再輸出され、輸出先で原産地規則の「累積」条件を満たす必要があるものなどは、引き続き特恵関税活用のための原産地証明書が必要だ。

併せて、これら工業製品に対する通関手続きが簡素化される。賦課される関税の違いにより細分化されていたスイスの品目分類が統合され、工業製品の分類数は現行の9,114から7,511となる。新旧の品目コードの対照表などの詳細は、SECOのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで随時発表・更新されている。

(注)全8桁。上6桁はHSコードに基づき、下2桁はスイス独自で設定。

(深谷薫、パブロ・ダス)

(スイス)

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