シルクロード国際博覧会が西安市で開催、多くの来場者でにぎわう

(中国、日本)

北京発

2023年12月04日

中国陝西省西安市の西安国際会議展覧センターで、第7回シルクロード国際博覧会が111620日に開催された。72,000平方メートルの会場に国際交流展、開放プラットフォーム展、区域協力展、現代農業展、先進製造業展、現代サービス産業展の6エリアが設置され、1,600社以上の国内企業などから関係者が参加したほか、80を超える国から1,200人以上の企業などの関係者が参加し、延べ20万人以上が来場してにぎわった。

同展示会は2021年が5月と2022年は8月の開催だったが、今回は「一帯一路」関連のイベント開催などを受けて11月開催となった。これまでは3号館が国際館となっていたが、同館は設置されず、国際交流展のエリアとして1号館が用いられ、その展示面積も拡大した。1号館を入ってすぐの入り口付近には2023年の主賓国のタジキスタン、アゼルバイジャン両国の大きなパビリオンが設けられたほか、韓国が同じく1号館内に前年に続いて大規模なパビリオンを設置した。

ジェトロは国際交流展のエリアに酒類や飲料、調味料など食品・飲料類の中国進出日系企業など12社から成る日本館を設置した。シルクロード博に初めて出展した上海愛雅食品の尾越明彦董事・総経理は「弊社はこれまで上海周辺での展開が主だったが、中西部や内陸への展開を検討する上で非常に貴重な機会となった。普段は工場向けの取引が多いが、レストランや消費者向けの展開に向けた商談もできて、中西部の市場を見るのに良い機会だった。次回も出展機会があれば是非参加したい」と感想を述べた。

写真 来場者でにぎわうシルクロード博の日本館(ジェトロ撮影)

来場者でにぎわうシルクロード博の日本館(ジェトロ撮影)

この展示会に継続出展している西安優選商貿の高重陽執行董事・総経理は「弊社は3年連続して展示会に参加しているが、来場者は今回が一番多く、入館制限も一時発生するなど、新型コロナ(ウイルス)感染拡大時には見たことがない状況があった。日本館には他にない特色ある商品が展示され、中西部で日本商品をPRしていく上でとても意義があると考える」とコメントした。

出展者からは、同博覧会は消費者のマインドをつかむ上で有意義な機会で、取引先開拓にもつながったとの声が複数寄せられた一方、来場する専門バイヤーの比率は限られるとのコメントもあった。また、高額な商品は売りづらく、100元(約2,100円、1元=約21円)以下の安価なセット商品を軸に提案するのが効果的との声も出ていた。

(草場歩)

(中国、日本)

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