BYDが紹興市にEV向け半導体工場を整備、総投資額は約2,000億円

(中国)

上海発

2023年12月07日

中国の新エネルギー車(NEV)大手の比亜迪(BYD)傘下のBYD半導体は11月28日、浙江省紹興市濱海新区で手掛ける半導体プロジェクトの1期工事が完了したと明らかにした。この拠点ではNEV向けパワー半導体やセンサー、制御デバイスなどの研究開発(R&D)、製造を行い、100億元(約2,100億円、1元=約21円)を投じる計画だ。完成すれば、パワー半導体の生産能力は年間72万枚、オプトデバイス関連は年間60億セットに達し、年商150億元に上る見込みだ。

BYDは自社のNEV販売の急増に伴い、まず1期目ではNEV向けコア部品のパワー半導体、センサー、制御デバイスなどを生産する。1期工事は2022年8月に着工し、計画どおりに完成した。同プロジェクトは42カ月で完了する予定だ。

BYD半導体は2002年にBYDの電池向け半導体の設計部門として発足し、2020年に子会社として独立した。パワー半導体、スマート制御、スマートセンサー、光半導体などを生産し、自動車以外では工業、家電、新エネルギー、電子機器などに提供している。

BYDは2022年11月、BYD半導体を深セン証券取引所の新興企業向け市場「創業板」に上場する計画を中止すると発表した。NEVの需要拡大に半導体の供給が追い付けず、生産能力の拡大など自由度の高い経営を行うためだとみられた。一方、同社は関連投資と生産の拡大を行い、経済環境などを踏まえて上場手続きを再開する方針も示している。

(劉元森)

(中国)

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