第3四半期GDP成長率、前期比マイナス0.1%、消費者物価指数上昇は小幅

(ドイツ)

ベルリン発

2023年12月07日

ドイツ連邦統計局は11月24日、2023年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(前期比、確定値、季節調整済み)をマイナス0.1%と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。3四半期ぶりのマイナス成長となった。発表では、2023年第1四半期(1~3月)をマイナス0.1%から0.0%に、第2四半期(4~6月)を0.0%から0.1%に改定した。第2四半期までの統計(2023年9月8日記事参照)では、2022年第4四半期(10~12月)と2023年第1四半期がマイナス成長だったが、テクニカルリセッション(2四半期以上連続のマイナス成長)入りしていなかったことになる。

需要項目別の内訳をみると(添付資料表参照)、政府消費支出は0.2%増と5四半期ぶりに増加に転じた一方、個人消費支出が0.3%減で成長率の押し下げ要因となった。総固定資本形成は0.6%増だった。うち建設投資が0.4%増、機械・設備投資は1.1%増だった。輸出入はいずれもマイナスとなり、輸出が0.8%減、輸入は1.3%減と振るわなかったが、輸入の減少幅が大きかったため、外需(純輸出)は成長率を0.2ポイント押し上げた。

産業別でみると、サービス部門が好調で、商業、運輸、宿泊・飲食が1.7%増、その他サービスが1.3%増、金融・保険が1.1%増、情報・通信が0.9%増だった。一方で、鉱工業(建設業を除く)は1.3%減と落ち込みが顕著で、うち製造業は0.9%減だった。

2023年第3四半期の実質GDP成長率(前期比、確定値、季節調整済み)を国際比較すると、EUの主要4カ国ではスペインが0.3%、フランスが0.1%、イタリアが0.0%で、ドイツだけがマイナス成長となった。

企業景況感は改善、消費者物価指数の上昇も低水準に

ドイツ経済に対する悲観的な予測が続く中、企業の景況感は改善傾向にあり、消費者物価指数の上昇幅も縮小している。

ifo経済研究所は同日、11月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同指数は87.3と、前月比0.4ポイント増となり、3か月連続で上昇した。今後6カ月の見通しを示す期待指数も85.2と、前月比0.4ポイント増で、3か月連続で上昇しており、悲観的な見通しは緩和している。同研究所は「ドイツ経済は低水準ながら安定しつつある」との見方を示した。

また、ドイツ連邦統計局は11月29日、11月の消費者物価指数(CPI、速報値)が前年同月比で3.2%上昇したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。上昇率は2021年6月の2.4%以来の低水準となった。カテゴリ別に前年同月比でみると、食品は10月の6.1%上昇から5.5%上昇に伸びが鈍化、エネルギー価格も10月の3.2%下落から4.5%下落となったことがCPI上昇の抑制要因となった。

(中村容子)

(ドイツ)

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