国際フィンテックカンファレンス「Singapore Fintech Festival2023」開催、ジェトロもスタートアップ10社出展支援

(シンガポール、日本)

イノベーション部スタートアップ課

2023年12月01日

世界最大級のフィンテックカンファレンス「Singapore Fintech Festival 2023外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下SFF)がシンガポールエキスポにおいて、2023年11月15~17日の3日間にわたって開催された。ジェトロは、日系スタートアップの出展を支援することを目的としてジャパンパビリオンを設置し、スタートアップ10社が出展した。今回出展した10社は、X-HUB TOKYO OUTBOUND PROGRAM外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(東京都主催・ジェトロ運営)シンガポールコースの採択企業で、プログラムパートナーのレインメイキング(RAINMAKING)による、海外展開に特化したアクセラレーションプログラムを経て参加した。

SFFは、シンガポール金融庁、エレヴァンディ(Elevandi)、コンステラー(Constellar)、シンガポール銀行協会が主催するカンファレンスだ。8回目の開催となるSFF2023には、150カ国から6万6,000人以上の来場者が訪れた。6つのホールに700以上の出展ブースが設けられたほか、シンガポールのターマン・シャンムガラトナム大統領をはじめ800人以上の来場者がスピーカーセッションに参加した。

写真 SFF2023 JAPAN PAVILIONのブース(ジェトロ撮影)

SFF2023 JAPAN PAVILIONのブース(ジェトロ撮影)

金融機関が出展する会場では、シンガポールなどの企業によるクロスボーダー決済・送金プラットフォームや、生成AI(人工知能)技術を用いた金融アドバイスシステム、信用スコアリングシステムなどのフィンテックサービスの出展ブースが集まった。

また、SFF2023ではフィンテック領域のみにとどまらず、ESG(環境・社会・ガバナンス)をテーマとした大規模なブースも設置され、東南アジアにおけるESGへの機運の高まりを象徴する一画となった。同ゾーンで行われたパネルディスカッションには、出展企業のアスゼロ・シンガポール(注)でカントリーマネージャーを務める濱田雅章氏が登壇し、同社のサービスであるサプライチェーンのデータ収集を通じた、持続可能なフィンテック構築に向けた取り組みについて解説した。

写真 パネルディスカッションに登壇する濱田氏(ステージ上の左から2人目)(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションに登壇する濱田氏(ステージ上の左から2人目)(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンにはフィンテックやサステナビリティへ関心が高い来場者が多く訪れ、出展企業との商談が行われた。出展企業からは「シンガポールを中心に、東南アジアの市場トレンドへの理解を深められた」「顧客・パートナーの獲得や商談につながるコネクションを得られた」といった声が寄せられ、東南アジア地域へのビジネス展開を進める端緒となった。次回開催は2024年11月6~8日の予定。

写真 出展企業とレインメイキングの関係者(レインメイキング提供)

出展企業とレインメイキングの関係者(レインメイキング提供)

(注)日本の気候テック企業であるアスエネのシンガポール現地法人。アスエネは法人向けに二酸化炭素(CO2)排出量の算出をサポートしている(2023年11月20日付地域・分析レポート参照)。

(林田勇太)

(シンガポール、日本)

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