ネオジェン、日本のMUISと提携、グジャラート州ダへジで最先端電池材料を生産

(インド、日本)

アーメダバード発

2023年12月26日

インドの特殊化学大手ネオジェン・ケミカルズ(注1)の完全出資子会社で、リチウムイオン電池素材などを手掛けるネオジェン・イオニクスは12月18日、グジャラート(GJ)州中部のダヘジ石油・化学・石油化学投資地域(PCPIR、注2)のパカジャン(Pakhajan)に合計約65エーカー(約26ヘクタール)の土地を取得し、世界クラスの最先端電池材料工場を設立すると発表した。工場は三菱ケミカル(MCC)とUBE(旧宇部興産)の合弁企業MUアイオニックソリューションズ(MUIS)の製造技術ライセンスを使用して設立される。

同工場は2025年下半期の稼働を予定しており、第1段階で3万メトリックトン(MT)の電解液と4,000MTの電解質塩、添加剤を製造する計画だ。電解液はMUISのライセンスを使用し、電解質塩はネオジェンの35年にわたるリチウム塩製造の固有技術に基づいて製造される。いずれもグリーンフィールドからの立ち上げとなる。

MUISは世界で5つの工場を運営しており、リチウムイオン電池用電解液の製造に30年以上の経験を持つ。ネオジェンは、これらの電解液がインドのリチウムイオン電池メーカーの需要増に対応するとともに、急速に拡大する国際的な電解質塩と添加剤に対する完成車メーカー(OEM)需要にも対応するものと期待している。

ネオジェン・ケミカルズ会長兼社長のハリダス・カナニ氏は「電池材料に特化したグリーンフィールド事業用地をタイムリーに取得できた。この施設により、電解液、電解質塩、その他の電池材料の将来的な拡張を担うことができる。電気自動車(EV)や蓄電池のリチウムイオン電池に対する世界的な需要の高まりに対応し、電池材料サプライチェーンの先行者としての優位性を維持する」としている(12月18日付同社プレスリリース)。

(注1)ネオジェン・ケミカルズは、1989年に設立された臭素系、リチウム系の特殊化学品の大手メーカー。同社の特殊化学品は有機化学品と無機化学品で構成され、医薬・農薬中間体からリチウムイオン電池材料まで多岐にわたり、製品ポートフォリオは248を超える。現在、グジャラート州、マハーラーシュトラ州、テランガナ州を中心に、総面積約58エーカー(約23.5ヘクタール)の4つの製造施設を運営する。

(注2)石油・化学・石油化学投資地域(PCPIR)は、石油・化学・石油化学の国内・輸出向け製造施設と、関連するサービスやインフラを設置するために計画された投資地域。生産ユニット、公共施設、物流、環境保護メカニズム、居住区、行政サービスから構成される。

(古川毅彦)

(インド、日本)

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