イタリア下院、欧州初の培養肉の生産・販売禁止法案を可決

(イタリア)

ミラノ発

2023年12月05日

イタリア下院は11月16日、培養肉などの細胞性食品・飼料の生産や販売を禁止する法案を可決した。159人の賛成、53人の反対、34人の棄権で、圧倒的な賛成多数となった。欧州で初めて培養肉の生産や販売を禁止する国となる見込み。

同法案は、フランチェスコ・ロッロブリジタ農業・食料主権・林業相により提案され、3月に閣議で承認、7月に上院を通過していた。法案は予防原則を順守し、人々の健康および食文化の保護を目的として掲げている。違反した場合は製品の没収に加え、最低1万ユーロから最大6万ユーロ、または年間総売上高の10%を上限とする罰金が科せられる。

ロッロブリジタ農業・食料主権・林業相は7月、2022年11月にトスカーナ州の州議会において満場一致で細胞性食品に対して反対とされたことなどを例に挙げ、同法案が農業関係者だけでなく、バイヤーや消費者、欧州とイタリアのさまざまな政党から幅広い支持を得ていることを強調していた。

しかし、今後の動きへの懸念もある。EUでは細胞性食品についてまだ規制はなく、培養肉などの生産や販売は承認されていない。2023年11月16日付「イル・ソーレ・24オーレ」紙などの報道では、今回のイタリアの細胞性食品に対する「予防的」措置が、EU法や国際法に抵触するリスクがあると指摘している。

イタリアの農業団体コルディレッティ代表のエットレ・プランディーニ氏は11月16日付のプレスリリースで、「国内で最終決定が下された今、戦いの場は欧州。食品の品質と安全性についてリードするイタリアは、国民の健康を守る政策のために戦う義務がある」と述べた。ロッロブリジタ農業・食料主権・林業相も11月20日のラジオ番組で「われわれは品質の欠如を認めてはならない。EUがイタリアの選択が正しいと決断するまで働きかけていく」と述べた。

(平川容子)

(イタリア)

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