2023年の中国飲食業界の収入が5兆元を突破へ

(中国)

広州発

2023年12月11日

中国の飲食業界団体の中国料理協会と蜀海サプライチェーンが共同で執筆した「2023年中国飲食サプライチェーン白書」(以下、白書)が11月24日、2023年飲食サプライチェーン産業会議で発表された。白書によると、中国飲食業界の2023年の総収入が初めて5兆元(約105兆円、1元=約21円)の大台を超え、新型コロナウイルス感染拡大以前の2019年の水準を上回る見通しだ。

白書によると、新型コロナウイルスが感染拡大した2020年は、中国全体の消費総額が減少し、飲食業界総収入も4兆元の大台を割り込んだ。2021年には一時、2019年と同水準まで回復したものの、2022年は再び前年比6.3%減の4兆3,900億元にとどまった。2023年上半期に入ると、全体的に回復傾向が見られ、前年同期比で増加していることから、2023年通年では2019年の水準を超える見込みだ。

また、白書では、飲食店全体の半数以上は1人当たりの消費単価が50元以下と指摘される(過去5年間の実績では、1人当たりの消費単価は40元以下)。2023年に入り、消費者の景気に対する楽観的な見方により、顧客単価が着実に上昇している。

なお、中国国家統計局によると、中国飲食業界の2023年1~10月の収入は前年同期比18.5%増の4兆1,905億元で、好調と指摘される。白書でも、2023年飲食店の開閉店率について、新規開店率は前年より7.2ポイント高い35.5%と予測、閉店率は前年より1.3ポイント低い30.9%と予測しており、2023年は多くの飲食企業が出店計画を加速するとみている。

(高文寧)

(中国)

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