世界最大級の医療機器見本市「MEDICA 2023」開催、質の良い新規顧客探しの好機

(ドイツ、日本)

海外展開支援部販路開拓課

2023年12月05日

世界最大級の医療機器見本市「MEDICA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(メディカ)」が11月13~16日にドイツ・デュッセルドルフで開催された。会場内15ホールにわたり5,372社が出展した(注1)。各国・地域で法的に医療機器と定義される診断や治療に使用する製品のほか、医療情報通信技術(ICT)、介護やスポーツ用品など、医療・健康に関わる幅広い分野の製品が紹介された。世界166カ国・地域から代理店や医療関係者ら8万3,000人が来場した。

なお、国・地域別出展企業数は、1位が中国(1,402社)、2位がドイツ(678社)、3位が米国(377社)。これらに、イタリア(350社)、韓国(307社)が続いた。日本からは85社が出展し13位(アジアでは中国、韓国、台湾、インドに次ぎ5位)となった。

写真 来場者でにぎわうジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

来場者でにぎわうジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

ジェトロが日本企業を支援するため設置したジャパンパビリオンには21社(注2)が参加し、品質の高い日本製品を紹介した。内視鏡レンズ洗浄装置や、導電性繊維を活用した健康管理製品、そのほか高度な技術で患者の生活の質向上に貢献する日本製品の数々が、世界中の来場者から注目を集めた。出展企業からは、「MEDICAでは幅広い国々から質の高い来場者と出会える」「ジャパンパビリオンに出展することで日本企業目当てに来る来場者が多く新規顧客開拓には効果的」との前向きなコメントがあった。

主催者の発表では、今回の展示会で特に注目が集まったトレンドとして、次の6項目があげられた。

  • 手術ロボット
  • 医療分野での人工知能(AI)・ビッグデータ活用
  • スポーツ医学
  • 持続可能性を重視した医療消耗品
  • モバイルヘルス(mHealth)(注3)による健康管理
  • スタートアップ企業

主催者によると、特に医療の外来化(注4)と病院間のネットワーク拡大化を背景にした、医療システムのデジタル化と、AIの医療現場への活用が2023年の展示会の大きなキーワードだったという。

また、約50社が参加した、ホール12のスタートアップパークでも、AIを軸とした製品が数多く見られた。同エリアには、アジアからはインド、韓国、シンガポール、中国の計7社が出展したが、日本企業の出展はなかった。

次回のMEDICAは2024年11月11~14日、同じくデュッセルドルフで開催の予定だ。

(注1)併催された医療機器技術・部品見本市「COMPAMED(コンパメッド)」を除く。

(注2)出展企業の一覧はジェトロのプレスリリース参照。

(注3)スマートフォンなどの携帯端末などを通じて、予防、診断、治療などを行うこと。

(注4)技術の進歩や在宅医療の拡大により、入院ではなく、外来で対応可能となる患者が増えたこと。

(檜山祐貴)

(ドイツ、日本)

ビジネス短信 829bfa16de952986