コマツ、GMと鉱山トラック用の燃料電池を共同開発

(米国)

シカゴ発

2023年12月18日

建設機械大手のコマツは12月12日、米国のゼネラルモーターズ(GM)と共同で、電機駆動式の鉱山用ダンプトラック向けの水素燃料電池パワーモジュールを開発すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。軽量で迅速に燃料補給ができる水素燃料電池は、ディーゼルエンジンを搭載する車両の電動化に最適で、車両の積載能力を損なうことなく、大量のエネルギーを搭載することができるという。また、鉱山での過酷な運搬作業などに従事する車両は、通常耐用年数を通じて1つの鉱山で稼働するため、水素供給の効率的なインフラの規模の決定と配備の簡素化が可能となるとのことだ。

両社は2020年代半ばにはアリゾナ州にあるコマツの研究開発施設で、燃料電池を動力源とする最初の採掘用車両の試運転を行う予定だ。この車両にはGMの開発した2メガワット(MW)以上の「ハイドロテックパワーキューブ」と呼ばれる燃料電池電源ユニットが搭載されるという。

コマツのダン・ファンキャノン北米技術・開発担当バイスプレジデントは「鉱山や建設現場で必要な機械の新しい動力源を模索することは、より持続可能な未来をサポートするわが社の重要な取り組みの一環だ」とし、「このような取り組みには、業界を越えた協力体制が不可欠で、二酸化炭素(CO2)を排出しない運搬車両を提供するためにGMと協力できることを大変うれしく思う」と述べている。同社は2050年末までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げており、11月20日にも大型リチウムイオンバッテリー製造のアメリカン・バッテリー・ソリューションズ(本社:ミシガン州、ABS)の買収に合意したと発表している(2023年11月24日記事参照)。

なお、GMは12月7日にもオートカー・インダストリーズ(本社:アラバマ州)と「ハイドロテックパワーキューブ」を搭載した産業用大型トラックの共同開発を発表している。

(齋藤秀美、星野香織)

(米国)

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