世界初の第4世代原子力発電所、山東省で商業運転開始

(中国)

青島発

2023年12月27日

中国の国家エネルギー局の発表によると、世界初の第4世代原子力発電技術の商業化プロジェクトの華能石島湾高温ガス炉原子力発電所(山東省威海市に所在)が12月6日、168時間の連続運転試験を完了した後、正式に商業運転に入った。

同プロジェクトは中国大手国有電気事業会社の中国華能集団が清華大学と中国国有原子力発電事業会社の中国核工業集団と共同で実施しているプロジェクトで、2012年12月に着工し、2021年12月に初めて送電系統に接続していた。

発表によると、このプロジェクトでは、世界および業界の多くの重要な技術的課題を克服し、世界初の設備を2,200以上開発し、設備の国産化率は93.4%に達したとしている。

報道によると、高温ガス炉は国際的に認められている第4世代の先進的原子力技術で、「固有の安全性」を備えており、全ての冷却機能が失われた場合でも、いかなる介入措置も講じることなく、原子炉は安全な状態を維持でき、炉心溶融や放射性物質の漏出は発生しないとしているほか、高い発電効率、幅広い応用分野などの優れた特性を備えているとされている(「大衆日報」12月7日)。

発表では、高温ガス炉は発電、熱・電力・冷却の複合供給、高温技術熱供給などの分野の商業的応用の見通しが明るく、エネルギー構造の最適化や、エネルギー供給の安全保障、「カーボンピークアウトとカーボンニュートラル」という目標の実現にも役立つとしている。

(董玥涵)

(中国)

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