ステランティス、米アンプルとEV用バッテリー交換技術で提携

(米国)

サンフランシスコ発

2023年12月15日

自動車メーカーのステランティスは12月7日、電気自動車(EV)向けのバッテリー交換ステーションを開発・展開するアンプル(本社:サンフランシスコ)とEVのモジュール式バッテリーを5分以内にフル充電バッテリーに交換する技術での提携を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。このバッテリー交換技術を適用すれば、EV利用者はバッテリー交換ステーションに立ち寄って、わずか数分で空のバッテリーをフル充電されたものに交換できるという。

この提携は、2024年にスペインのマドリードでの、ステランティスのカーシェアリングサービス(Free2move)の開始が計画されており、100台のフィアット500eに適用される。フィアット500eは、ステランティスで最も販売台数の多いEVで、世界中で販売されている。

ステランティスの充電とエネルギー部門シニア・バイス・プレジデントのリカルド・スタマッティ氏は「アンプルとの提携はステランティスのEVの顧客に移動の自由を可能にする全ての道を開拓している例だ」と述べた。

アンプルの最高経営責任者(CEO)のカレド・ハスナ氏は「アンプルでは、全ての人々が妥協せずにEVへアクセスできることの重要性、それがグリーンハウスガス排出を削減する唯一の重要なインパクトを与えられる方法だと信じている。ステランティスは私たちのゴールを達成する完璧なパートナーだ」と述べた。

アンプルの技術は、ガソリンを給油するように早くEVにエネルギーを投入する代替方法だ。さらに、アンプルのモジュラーバッテリーはどのようなEVのバッテリーとも交換可能に設計されており、ステランティスの車両プラットフォームの再設計なしで、この技術を導入することが可能だという。

また、アンプルの軽量バッテリー交換ステーションは、どのような場所でも3日以内に設置可能で、顧客の需要に応じた急速なインフラ拡張に対応できるという。アンプルの技術が搭載されたEVが、バッテリー交換ステーションに接近するとステーションは車両を認識する。ステーション内に車両を停止後、運転手は携帯アプリを使い、5分以内にフル充電されたバッテリーへの交換ができる。また、このサービスはサブスクリプションで提供される。この技術によって、顧客はいつも最新のバッテリー技術を手にし、EVの航続距離と寿命を効率的に増加することが可能となる。

ステランティスは、2030年までに欧州でのEVの販売比率を100%、米国におけるバッテリー式EV(BEV)と小型トラックBEVの販売比率をそれぞれ50%ずつ、に到達する計画を発表した。この販売目標を達成するため、同社では約400ギガワットのバッテリーを確保している。

(松井美樹)

(米国)

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