11月の自動車販売は2カ月ぶり1桁成長、一般乗用車が落ち込み

(インド)

ベンガルール発

2023年12月19日

インド自動車工業会(SIAM)は12月12日、2023年11月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は、前年同月比4.3%増の28万8,062台(添付資料表1参照)となり、9月以来の1桁成長にとどまった。一般乗用車の大きな落ち込みが影響したものとみられる。なお、表1の数字には含めないが、タタ・モータースの乗用車販売台数を含めると、11月単月の乗用車販売台数は33万4,130台に上る(注)。自動車販売全体(乗用車、二輪車、三輪車)では、前年同月比26.5%増の197万1,262台だった。

SIAMのビノド・アガルワル会長は「二輪車、三輪車は2桁台の伸びを見せており、自動車業界は好調を維持したまま2024年を迎えることを楽観している」とコメントした。

メーカー別乗用車販売では(添付資料表2参照)、前月からルノーが順位を落とし、MGモーター、日産を下回った。首位のマルチ・スズキは13万4,158台で前年同月比1.3%増、韓国の現代は4万9,451台で3.0%増加した。地場のマヒンドラ&マヒンドラは31.6%増の3万9,981台、トヨタ・キルロスカも44.1%増の1万6,902台と好調を維持した。なお、統計に含まれていない地場のタタ・モータースは、電気自動車(EV)を含め4万6,068台(前年同月から31台増)で、前月と同じ3位相当につけたもようだ(同社発表)。

車種別にみると、小型車の販売台数は減少、UVは増加傾向にある。首位は変わらず小型車でスズキのコンパクトモデル(「スイフト」「ワゴンR」など計6万4,679台)だが、前年同月比11.2%減少した。同ミニモデル(「アルト」など計9,959台)は45.4%減で、車種別3位だった。小型車2位の現代のコンパクトモデル(「オーラ」など計1万4,285台)も24.9%減少した。

一方で、UVの伸びは引き続き著しく、車種別1位のスズキのコンパクトUV(「ブレッツァ」など計2万4,280台)は前年同月比2.1倍に達した。現代のUV(「エクスター」など計1万9,505台)も、81.6%増と大幅な伸びを見せている。

11月単月の二輪車販売は、前年同月比31.3%増の162万3,399台を記録(添付資料表1、3参照)。主要部門のオートバイは35.7%増の107万798台。バジャジオート、TVSモーター、ヤマハが前年同月比4割超となり伸びを牽引した(添付資料表3参照)。11月単月の三輪車販売は引き続き伸びを見せており、前年同月比30.8%増の5万9,738台だった(添付資料1参照)。

(注)タタ・モータースの販売台数は単月の乗用車販売台数のみ公開。自動車販売台数全体およびセグメント別、メーカー別、車種別、二輪車、三輪車統計には含まれない。

(岩井澪佳)

(インド)

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