アフガニスタンで活動20周年、NGOが東京で記念イベント
(アフガニスタン、日本)
調査部アジア大洋州課
2023年12月13日
アジアで教育支援事業を行うNGOのシャンティ国際ボランティア会は12月10日、アフガニスタン支援20周年を記念したセミナー・討論会を東京で開催した。女子への教育を厳しく制限するタリバン政権下での活動などを報告した。
シャンティは、2001年9月の米同時多発テロを受けた米国のアフガニスタン侵攻後に同国の難民支援を開始、2003年1月にアフガニスタン事務所を開設した。これまでに学校43校や図書館159館を開設したほか、絵本を中心に240タイトル以上の本を現地語で出版してきた。
2021年8月にタリバンが復権した際は、図書館を2カ月間閉鎖したものの、すぐに活動を再開したという。タリバン政権は13歳以上の女子への学校教育を禁じている一方、シャンティの事務局長兼アフガニスタン事務所長の山本英里氏は、現在の図書館利用者の8割が女子と説明した。同国では女性の就業は医療関係者や教員など一部職業でのみ認めらており、女性に対する厳しい行動制限がある。そのような状況の中で、かつて図書館を利用し、現在は教員として働く女性などがセミナーにオンラインで登壇。教育の重要性ついて語り、支援の継続を訴えた。参加者は会場とオンラインで参加した94人だった。
アフガニスタンでの活動を説明する山本所長(シャンティ国際ボランティア会提供)
同日は、セミナーのほかに、有識者やジャーナリストによるアフガニスタンの女性と女児の状況についての討論会も開催された。
同国の西部では2023年10月に4度にわたってマグニチュード6.3の地震が発生し、約2,000人が死亡したとみられているが、シャンティの活動地域では影響は出ていない。この地震による被災者に対する人道支援のための寄付も募っているという。
(今野至)
(アフガニスタン、日本)
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