アブダビ首長国政府系企業、25億ドル超の次世代の航空燃料とバイオ燃料の生産計画発表

(ブラジル、アラブ首長国連邦)

サンパウロ発

2023年12月18日

アブダビ首長国政府系エネルギー企業アセレンは12月7日、次世代燃料として注目される持続可能な航空燃料(SAF)とリニューアブルディーゼル(RD、注1)の大量生産を目指す計画を発表した。投資総額は25憶ドルを超える。SAFとRDの生成にはマカウバという中南米原産のヤシ科植物実から得られた油を利用する。アセレンは、アラブ首長国連邦(UAE)構成国の1つのアブダビ首長国の政府系ソブリン・ウエルス・ファンド(ムバダラキャピタル)がブラジルのサンパウロ市内に設立した企業。12月7日付公式リリースによると、同社はバイア州でバイオ燃料の精製所を建設する予定。生産を2026年第3四半期(7~9月)に開始し、2035までに年間10億リットルのSAF・RDの製造を見込んでいる。さらに、ミナスジェライス州ではマカウバ生産の効率化を進めるため、イノベーション・アグロインダストリー技術センターを設立する計画もある。

マカウバは生産面積当たりの油の生産性が非常に高く、痩せた土地を再活性化するために最適な作物の1つとされている。また、ブラジル農牧研究公社(Embrapa、注2)が2022年12月に作成した報告書では、マカウバの生育に必要な水分量がパーム油の原料となるアブラヤシと比べて低いため、ブラジル国内のほぼ全ての地域で栽培可能とされている。

(注1)食料と競合しない廃食油や廃動植物油等を原料として製造されるバイオ燃料

(注2)ブラジル農業・畜産・供給省と密接に連携し、食品や繊維、エネルギーの生産のために熱帯環境下でのブラジルの農業や畜産の研究・開発を進める組織

(エルナニ・オダ)

(ブラジル、アラブ首長国連邦)

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