2023年の中国ゲーム業界、売上高が3,000億元を初めて突破へ

(中国)

広州発

2023年12月25日

中国音像・デジタル出版協会は12月15日、広州開発区管理委員会や広州市黄埔区人民政府と「2023年度中国ゲーム産業年会」を広州市で共催した。同年会で、協会第1副理事長の張毅君氏は「2023年の中国ゲーム産業報告」を発表した。報告によると、2023年の中国のゲーム市場の売上高は前年比14.0%増の3,029億6,400万元(約6兆円593億円、1元=約20円)で、3年ぶりの増収となり、初めて3,000 億元の大台を突破する見通しだ。ユーザー数は0.6%増の6億6,800万人で、過去最高を記録した。

また、中国における自社開発ゲームの国内での売上高は前年比15.3%増の2,563億7,500万元となった。国外での売上高は5.7%減の163億6,600万ドルと減少し、国際情勢の混乱、市場競争の激化やプライバシー政策の変更などが影響しているとの見方を示した。国外での売上高トップ100の自社開発スマホゲームをジャンル別でみると、ストラテジーが40.3%、ロールプレイングが16.0%、シューティングが10.0%を占めた。主な国外市場は米国(32.5%)、日本(18.9%)、韓国(8.2%)だった。

スマホゲームでは、売上高トップがロールプレイング

スマホゲームの売上高をみると、前年比17.5%増の2,268億6,000万元で過去最高を更新した。売上高トップ100のスマホゲームをジャンル別でみると、ロールプレイングが31%を占め、次いでカード(9%)とストラテジー(9%)が続いた。

なお、ゲーム産業報告では、今後の同産業の発展について、次の方向性を示している。具体的には次のとおり。

  1. 「未成年者ネットワーク保護条例」をゲーム産業における未成年者保護のより具体的な指針とすること
  2. 「オンラインゲーム優秀出版プロジェクト」をゲーム産業の規範化と持続可能な発展のための新基準とすること
  3. 中国の伝統文化を生かしたコンテンツ作りを促進すること
  4. ゲーム産業の科学技術革新能力と業界を超えたエンパワーメント効果をさらに強化すること
  5. ゲーム産業のグローバル化に伴い、国際交流や協力をより密に行うこと

(高文寧)

(中国)

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