英グレーター・マンチェスター、大阪市と覚書締結、ネットゼロや大学連携など実施

(英国、日本)

ロンドン発

2023年12月20日

英国のグレーター・マンチェスター合同行政機構(注、以下、GMCA)は12月4日、大阪市と友好協力関係構築に関する覚書に署名した(日本語PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。署名はグレーター・マンチェスターの訪日ミッションに合わせて行われた。覚書の有効期限は2026年12月3日。次の取り組みを進めるとしている。

  • 環境政策分野における協力と交流の推進および、温室効果ガス(GHG)排出量実質ゼロの目標実現に向けた移行の促進
  • 経済分野における交流促進および強固な協力関係の構築
  • 大学間連携の強化
  • 大阪・関西万博を機にさらなる協力関係の構築に向けた協議の推進

両者は2021年9月に、持続可能な都市開発とイノベーションの分野での分散型の都市・地域間の国際協力をリードし、発展させることを目指す、EUの国際都市地域間協力(IURC)プログラムに参加、連携を開始している。

今回の訪日ミッションには、グレーター・マンチェスターのアンディ・バーナム市長も参加した。覚書について、貿易・投資機会の創出、大学・研究機関の新たな結びつきの構築、ネットゼロ関連技術における重要な協力を加速するものと歓迎。また、2025年の大阪・関西万博に向けて連携するための土台となるとしている。

今回のミッションについて、参加したグレーター・マンチェスターの投資誘致機関MIDASはジェトロに対し、「既存、新規の投資家、企業およびパートナーとの対話を通じ、グレーター・マンチェスターの成長および投資機会を検討することができた。対話に基づき2024年も取り組みを行っていきたい」とコメント。さらに、日本は主要市場で、英国進出を検討している日本企業との対話を歓迎するともコメントした。

MIDASによれば、同地域の主要産業は、先端製造業、デジタル・技術、クリエーティブ・メディア、ライフサイエンス・ヘルスケア、金融・専門・ビジネスサービス、ネットゼロ、フィンテック、サイバーセキュリティーとなっている。英国の科学・イノベーション・技術省は12月12日、同地域のサルフォード市に同省の第2本部を設置することを発表している。

また、同地域は先端製造・先端素材分野の投資ゾーンにも選定されている。投資ゾーンは、地域のイノベーション能力の強化や投資誘致に向けて、産業集積の発展および成長を支援するもので選定地域には今後10年間にわたり、1億6,000万ポンド(約288億円、1ポンド=約180円)が割り当てられる。

GMCAは12月8日には、同地域に拠点を有する富士通と、投資ゾーンの発展支援に向けて、新たなパートナーシップに署名している。

(注)イングランド北西部のマンチェスター市、サルフォード市、ベリー区、ボルトン区、オールダム区、ロッチデール区、ストックポート区、テームサイド区、トラッフォード区、ウィガン区の10の基礎自治体で構成される合同行政機構。

(山田恭之)

(英国、日本)

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