アフリカ最大級の食品展示会開催、食品輸出増を目指す一方で一部の品目で輸出禁止を継続

(エジプト)

カイロ発

2023年12月19日

エジプト・カイロで121214日、アフリカ最大級の食品・飲料見本市「フード・アフリカ(Food Africa外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」が開催された。1217日時点で主催者から最終的な出展者数、来場者数の発表はないが、現地メディアは32カ国から800社以上が出展したと報じている。

開催国エジプトのほかには、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、トルコといった中東の近隣諸国のほか、ロシア、ポーランド、インドが大型パビリオンを設けた。中でも目立ったのは、展示ホール複数にわたってパビリオンを設けたトルコと、大型ナショナルパビリオンを出展したロシアだ。いずれも、出展物は穀物類、ナッツ、パスタ、植物油、缶詰、菓子などだった。中国からは個別企業の小規模な出展があったものの、ナショナルパビリオンの出展はなかった。

写真 ロシアパビリオン(ジェトロ撮影)

ロシアパビリオン(ジェトロ撮影)

開催国エジプトの出展では、輸出向け製品のPRが目立った。エジプトの「Food Export Council(FEC)」が設けた大型のパビリオンには、16社のエジプト企業が出展し、ピクルスなど野菜の加工品やオリーブ製品、菓子、その他加工食品を展示した。外貨不足に悩むエジプトでは外貨獲得の手段として食品輸出が推進されており、国家情報サービス(SIS)は、エジプトの2023年1~10月の食品輸出額は前年同期比で15%増の43億ドルに達したとのFECのコメントを伝えた。エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は12月10日のムスタファ・マドブーリー首相らとの会談で、農業生産の拡大、農産物の輸出増加のための努力を続けるよう改めて指示したと報じられている(12月10日付SIS)。

食品輸出に力を入れる一方で、一部の食品については国内での供給が不足している。現地報道では砂糖やタマネギの供給不足や価格上昇が連日報じられ、政府は砂糖とタマネギの輸出禁止措置を2024年3月まで延長すると発表した。

(塩川裕子)

(エジプト)

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