農水省発表の「日本食普及の親善大使」に米中西部から初の任命

(米国、日本)

シカゴ発

2023年12月14日

農林水産省は12月13日、米国ミネソタ州で懐石料理店などの共同オーナー兼シェフを務める古川茂幸(ふるかわしげゆき)氏を「日本食普及の親善大使」に任命した。米国では2023年11月時点で16人が任命されているが、米国中西部の日本料理関係者が任命されたのは今回が初めてだ。

日本食普及の親善大使は、日本食・食文化などのさらなる魅力発信を通じて日本の農林水産物・食品の輸出拡大につなげていくことを目的として、農林水産省が日本料理関係者などを任命するものだ。日本食普及の親善大使は、プロの視点に立った海外の日本料理関係者への助言などを通じた国内外への日本食・食文化などの普及、自らの活動や各種メディアでの情報発信などに取り組むこととされている。

同氏は、「Kado no Mise」をはじめとする4店舗の寿司(すし)、懐石料理店などの共同オーナー兼シェフを務め、食材、食器の大半を日本から取り寄せるなどして本格的な日本料理を提供するほか、消費者や現地シェフを対象とした日本食に関する講座を開くなど、日本食・食文化の発信や日本の農林水産物・食品の輸出拡大に貢献している。また、2022年の日本食レストラン数は全米30位と、日本食の普及が比較的進んでいないミネソタ州において、同氏は「州都ミネアポリスで最も知られる2人のシェフのうちの1人」として現地メディアで紹介されるなど、同州における日本食の認知度向上にも貢献している。

同氏は今回の任命に当たり、「日本食・食文化の普及が遅れている米国中西部において、食材や食器、掛け軸などを通じて、四季折々の日本食・食文化の発信を続けていきたい。海外に新たに挑戦する若手の日本料理人を支援していきたい」と意気込みを語った。

(冨樫達也)

(米国、日本)

ビジネス短信 1abc5ab4f190e24c