米フロリダ州、半導体分野の労働力開発プロジェクトに資金拠出

(米国)

アトランタ発

2023年11月24日

米国フロリダ州のロン・デサンティス知事(共和党)は11月21日、半導体製造力拡大のため、5つの労働力開発プロジェクトに対して、計2,800万ドル以上を州商務省が管轄するフロリダ雇用成長助成基金から拠出すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

2023年9月に発表された労働力開発イニシアチブ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、州商務省と州教育省を通じて、合計で5,000万ドルを拠出するとされており、今回は州商務省管轄の基金の拠出先が発表されたかたちだ。拠出先は、オセオラ郡ネオシティ(1,750万ドル)、バレンシアカレッジ(417万ドル)、サンタフェカレッジ(300万ドル)、レイク・テクニカル・カレッジ(186万500ドル)、イースタン・フロリダ・ステート・カレッジ(155万ドル)の5つのプロジェクト。最大の拠出先であるネオシティ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注)では、半導体の多目的ラボ施設を建設し、スタートアップや半導体製造企業にラボスペースを提供する予定だ。バレンシアカレッジで半導体関連の技術者育成プログラムを拡大するほか、サンタフェカレッジでは先端製造業を専門とするエンジニアリング技術の新しい準学士号課程を創設する予定だ。

フロリダ州によると、同州は半導体製造関連の雇用者数で米国5位、半導体関連事業所数で全米3位だ。同州では、教育機関の取り組みも活発で、2023年10月にフロリダ大学は学内外の調整拠点としてフロリダ半導体研究所(FSI)を設立した(2023年10月18日記事参照)。さらに、FSIは11月17日、フロリダ州半導体イニシアチブを開催外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、業界リーダーとのパネルディスカッションや、半導体分野における労働力ニーズを明確化し定義するためのワークショップが行われた。同イベントで登壇したフロリダ州商務省のアレックス・ケリー長官は、半導体分野において、労働力刺激策としてフロリダ州の次期予算に総額7,800万ドルが追加される見込みだと述べた。

(注)同州オーランド近郊のオセオラ郡にある研究拠点都市で、約500エーカ―(約2平方キロ)の敷地にスマートセンサー、フォトニクス、光学などの分野の最先端研究施設などがあり、ベルギーの先端半導体研究機関imecの米国法人も研究開発拠点を設置している。

(檀野浩規)

(米国)

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