中国・米国首脳会談で20項目以上に合意、対話と交流を強化

(中国、米国)

北京発

2023年11月21日

中国外交トップの王毅・共産党中央政治局委員兼外交部長(外相)は、11月15日(現地時間)に米国で行われた習近平国家主席とジョー・バイデン米大統領の首脳会談(2023年11月17日記事参照)について、記者会見で詳細を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

王政治局委員は会談の成果として、相互尊重と平等互恵という基礎の上で、政治・外交、人的・文化的交流、グローバルガバナンス、軍事的安全保障など20項目以上の合意に達したとした(添付資料表参照)。

また、王政治局委員は会談について、同時期に開催されたAPEC首脳会議の中で行わず、単独の会談としてバイデン大統領が招待したこと、会談時間が4時間にわたったこと、これまでにないほど国際社会が安定した両国関係を求めている時期に開催されたことなどを挙げ、その戦略性、歴史性、先導性を評価した。

その上で、習国家主席は(1)歴史的に正しい選択をすること、(2)正しい共存の道を探ること、(3)「サンフランシスコ未来図」を切り開くことが必要と主張し、両国がパートナーとして、双方の利益となる議題で積極的に行動することや、相互尊重、平和共存、協力・ウィンウィンの関係を堅持すること、5つの柱(注)を打ち立てることで、新たな未来図を切り開くことの必要性を述べたとした。

中国は経済・科学技術についても中国の立場を主張し、米国の対中制裁は「デリスキング」ではなくリスクを作り出していると指摘、両国関係の不確定性を作り出す最大のリスクとなっているとした。中国の科学技術への抑圧は中国の質の高い発展を妨げるもので、中国の人々の発展の権利を奪うものであり、決して認めることはできず、絶対に成功することはないとした。

その上で、両国が正しい共存の道を探し当てることは、歴史的必然かつ時代の流れであり、人々が待ち望んでいることでもあるとした。

11月17日付の「環球時報」は、米国のフェンタニル(薬物)問題についての協力合意を取り上げ、「中国のパートナー、友人としての好意により、米国の国内問題の解決に手を貸すものだ」と評価した。

(注)習国家主席が提起した、今回の会談を契機として打ち立てるべき5つの内容を指す。

(河野円洋)

(中国、米国)

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