韓国政府、コンテンツ大国トップ4に向けて「映像産業跳躍戦略」を発表

(韓国)

ソウル発

2023年11月16日

韓国の文化体育観光部は11月14日、「映像産業跳躍戦略」を発表した。ネットフリックスのようなグローバルに展開している動画配信サービス(OTT、注)が普及し、知的財産の重要性が増している。このような中で、同戦略は、韓国の映像コンテンツ産業の競争力を画期的に高め、国家戦略産業として育成することで、「2027年コンテンツ大国トップ4入り」を目指すとしている。

2027年までの具体的な目標として、(1)映像コンテンツ産業の市場規模40兆ウォン(4億4,000万円、1ウォン=約0.11円)実現(2021年は28兆ウォン)、(2)映像コンテンツの輸出額18億ドル(2021年は9億2,000万ドル)達成、(3)エミー賞・アカデミー賞などを受賞するグローバルキラーコンテンツ5本創出、の3点を掲げている。

これらを達成するために、次の3つの柱で政策を進めるとしている。

  1. 映像産業の活力向上:キラーコンテンツ育成に向けた1兆ウォン規模の「Kコンテンツ戦略ファンド」の新設、コンテンツ制作費の税額控除拡大、OTT利用料金に対する所得控除など
  2. 知的財産の交渉力向上のための総力支援:知的財産を活用した収益最大化の支援、財政的支援を通じた知的財産の確保、バーチャルスタジオの構築など
  3. 映像クリエーターの権利強化:クリエイターが合理的な報酬を受けられるための業界間協議、コンテンツの違法な流通を防ぐための国際協力体制の構築など

文化体育観光部の柳仁村(ユ・インチョン)長官は「映像コンテンツは韓国コンテンツ産業をリードする上で重要だ。これらの政策を確実に実行して成果を上げていく」と抱負を述べた。

(注)OTT(Over The Top)は、インターネット回線を通じて動画や音声などのコンテンツを配信するサービスの総称。

(橋爪直輝)

(韓国)

ビジネス短信 f36b6fe4c38fa97f