通貨下落で史上最安値を更新、CPI上昇率は前月比で微増

(ケニア)

ナイロビ発

2023年11月09日

ケニア国家統計局は10月31日、同月の消費者物価指数(CPI)上昇率を前年同月比6.9%と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。9月は前年同月比6.8%で、前月と比べると微増となった。分野別では、交通(前年同月比13.6%)、住宅・水・電気・ガス(同7.8%)、食料・飲料(同7.8%)などで引き続き高い物価上昇が続いている。特にガソリンの小売価格は10月15日から、1リットル211.64ケニア・シリング(約211円、1シリング=約1円)から217.36シリングにさらに引き上げとなった影響が大きく、交通費の価格上昇が加速した。食料価格も小麦類を除いてほぼ全てが前月比で上昇した。8月にはCPI上昇率がいったん減速に向かったものの、その後、再びインフレ圧力が強まっている。

通貨シリングは10月24日に、中央銀行の公定レートの中央値が1ドル=150シリングを超えた。11月6日時点で151.16シリングとなり、2023年初から33.6%下落し、史上最安値を更新し続けている。

ケニアのスタンビック銀行が11月3日に発表した10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月比で1.6ポイント減の46.2になった。燃料価格と通貨下落によるインフレ圧力の高まりを要因として、全セクターで生産と新規発注が減少したとしている。

(佐藤丈治)

(ケニア)

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