米自動運転スタートアップのメイ・モビリティー、NTTなどから1億500万ドルの資金調達

(米国、日本)

シカゴ発

2023年11月15日

自動運転技術の開発を手掛ける米国スタートアップのメイ・モビリティー(本社:ミシガン州)は11月7日、シリーズDラウンド(注)で1億500万ドルの資金調達を完了したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今回の資金調達ラウンドを含め、同社のこれまでの資金調達総額は約3億ドルに達した。

同社の発表によると、今回の資金調達を主導したのはNTT(日本電信電話)で、このほか、トヨタの米国投資会社トヨタ・ベンチャーズ、あいおいニッセイ同和損害保険、米国自動車保険大手のステート・ファームの投資会社ステート・ファーム・ベンチャーズ(本社:イリノイ州)、BMW iベンチャーズ(本社:カリフォルニア州)などが参加した。現地報道によると、NTTはメイ・モビリティーに対して約100億円を出資する計画だ(ロイター11月6日)。

また、NTTは11月7日、今回の出資とともに、メイ・モビリティーの自動運転システムの日本国内での独占販売権を獲得したと発表した。同社は今回の出資の理由について、自動運転技術によって、日本国内での少子高齢化の進展や物流分野での労働時間上限設定によるドライバー不足問題の解決が期待されることや、改正道路交通法によって自動運転サービスの実現に向けた動きが高まっていることを挙げている。

NTTによると、メイ・モビリティーは日本の交通事情にも適合する自動運転技術に強みを有する。実際、米国、日本国内の12都市で35万回以上の自動運転走行の実証を進めてきたとしている。日本国内では、2021年3月に広島大学東広島キャンパス内の公共路線で運行を開始し、その後サービスエリアを拡大し、オンデマンドサービス、食料の配達を取り入れた複合型モビリテイーサービスなどの実証実験を行った実績がある(2022年5月31日に運行終了)。

(注)スタートアップ、ベンチャー企業に対する投資ラウンドのうち、収益が安定的で、IPO(新規株式公開)やM&Aなどイグジットを検討する段階。

(齋藤秀美、星野香織)

(米国、日本)

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